Juan Lopes Distinguidos 2011 ER Alemania

2021-07-14

ファン・ロペスのディスティンギドスはSLBで1000箱、ジャーで600個がそれぞれ発売された。どちらも25本入りである。
2011年、ドイツからハバノスでもちょっと変わり種の、2種類の箱を持つエディシオン・レヒオナルが誕生した。

サイズはRG52x162mm、ビトラ・デ・ガレラ:ロメオ(ビトラ・デ・サリダ:ペルフェクト)。名前の通りクアバのディスティンギドスと同じビトラとなる。
手元にあるのはジャーの方である。熟成に最も理想的なパッケージであるジャーは収められるシガーも非常に高品質だ。そしてこれは製作が難しいシェイプであるペルフェクト、つまり熟練工が手掛けた代物。期待が高まる。


葉巻をチェックする。堂々とした体躯で、ヘッド側は肩が張り、フット側の最大径のあたりはぼってりとしている。理想的なペルフェクトのフォルムだ。下手な職人のペルフェクトは全体的にシルエットが痩せている。
ラッパーはコロラド。表面はてかてかと艶があり、香りはフレッシュで濃いタバコ香。

ヘッドをフラットカット。フットに着火する。
燃える白樺の焚き火の芳香。
ペルフェクトのフットはカットしない。カットする人もいるようだが、この最小径から最大径への燃焼の盛り上がりが最も劇的な変化を見せる。それはこのシェイプだけのものだ。切り捨てるのはもったいないとしか言いようがない。

喫煙すると、柔らかなウッド。ベルベットのような煙のタッチがゴージャスだ。
溶かしたザラメを連想させる甘みと、ウッディなビターの融合が素晴らしい。アクセントにホワイトペッパー。うま味がほとばしる。
大輪の花束、松の葉、燻製アーモンド、貝のスープ。コクが深い。
着火から最大径までに、それが拡大し収縮し、目まぐるしく展開する。ミディアムフル。


中盤はナッツが拡大していく。
遠くまで続く立体感、そしてテクスチャは厳選されたリーフの成す賜物。干し椎茸のような強烈なうま味に脳をやられる。焦がした甘栗の皮、全粒粉のビスケット、腐葉土、なめし革。

終盤は鮮烈なフルーティの顔が現れる。一陣の風のような爽やかな柑橘感。
ブローするとガス香が溢れる。目もくらむようだ。
80分で喫了。熟成によりニコチンなどのタバコ葉に含まれる成分が余すところなく芳香成分やうま味へと変化し、素晴らしい風味へと昇華した。ハバノスの結晶だ。

10年間ジャーの中で育まれた熟成は、スモーカーを瞠目させる。
CABとどちらを選ぶかと言われたら、迷うことなくジャーだ。

LABEL : Juan Lopez 【Aged】 【Edicion Regional】