Por Larranaga Galanes '21

2021-11-08

2020年に発表されたポール・ララニャーガ久しぶりのスタンダードライン、ガラネス。ガラネスとはスペイン語で「勇者」に当たる。ピカドレスといい、ララニャーガは勇ましい名前のシガーが好みのようだ。

サイズはRG52x120mm、ビトラ・デ・ガレラ:ガラネス(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト)。このシガーのみのオリジナルビトラだ。昨今のハバノス主流のごんぶとビトラである。
パッケージングは10本入りのバーニッシュ(ニス塗り)SBN(セミ・ボワト・ナチュール)。これも流行の形で、ハバノスの力の入れようがわかる。

箱を開けると、太い金リングがずらりと並び眩しい。
干した牧草とタバコ香が充満する。ラッパーはコロラド。表面はそこまでオイリーではなく、控えめな印象だ。
ヘッドをフラットカット。太いフットに火を灯す。
燃える白樺の皮。喫煙する。
ほんのり白粉を含んだ、レザー系のスモーク。ややメタリックな質感。ミディアムライト。
ナッツの風味が楽しく煙量豊かで、うま味、コクともに申し分ない。

このビトラに近いものでパッと思いつくのはエピクール・デ・ルクセだ。比較するようなものでもないが、こちらの方がウッドに寄り、力強さで勝る。華やかというよりいぶし銀の味わいだ。簡単に言うと、食べ物っぽい。ピカン、ベリー系。
太い葉巻は大味では?と考える人もいるが、実は葉巻は太い方がフィラーの量を増やせるので、味わいに積層感を作り出せる。そのため、ある程度の太さ以下の葉巻は変化に乏しくなる。


中盤は甘みが増し、ナッツのタルトを連想させる。
グラス(草)感、それも乾燥させた牧草。奥の方に潜むビターがアフターに心地よく響き、ストレスのないドローがリラックスの極地へ誘う。
大人向けのナッツのスイーツ、あと引く美味さだ。

大きなリングを外し終盤、ブローするとさらにナッツの味わいが濃く強くなる。
実際にナッツの存在を口中に感じるような、立体感を伴ったテイストが立つ。鼻を抜ける芳香は華やかで、葉巻が短くなるにつれますます強調される。

50分で喫了。
昼下がりのコーヒータイムにも、たっぷり肉を楽しんだアフターディナーでも、タイミングを選ばない万能のシガーだ。
流通量がまだ少ないが、いずれ広まった際には世界中でデイリーに楽しまれることになるだろう。肩肘張らずに楽しめ、それでいて満足感の高い高品質なシガー。老舗の納得の1本だ。

LABEL : Por Larranaga