H.Upmann Connossieur No.2 '21

2021-11-29

2020年にリリースされ、2021年に販売が始まったコネスールNo.2。
コネスールNo.1に連なるラインだが、コネスールA・Bと同じフォーマットのリングをまとっているのでやや混乱する。細かく見ていこう。

25本入りSLBで提供されるH.アップマン コネスールNo.2はリングゲージ51x134mm、ビトラ・デ・ガレラ:ボヘミオス(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト)。聞いたことのないサイズに面食らうことだろう。このビトラはコネスールNo.2専用のものだ。
リングゲージ・長さはNo.1より太く・長く、A・Bより細く・短い。兄貴より大きな弟ということか。前述した通り、A・Bと同じリングで下部に「2」と入っていることが違いだ。なおA・Bともに限定品だが外見が同じでも2はスタンダードラインナップである。なんとも複雑である。
ちなみにコネスールNo.1は現在リングデザインの変更が決定し、新規出荷分から2・A・Bと同じフォーマットのリングへと変わる。これにより見た目から生まれる統一感のなさも解消されるだろう。


箱を開くと、ウッドに寄った淡いタバコ香。色合いはコロラド・マデューロで、力強い印象を与える。香りはほのか。表面のオイル分も薄め。インパクトの割には優しめのシガーか?
先入観を振り払ってヘッドをフラットカット。
フットを炙ると、香りはごく薄い。焼きたての塩せんべいのような芳香。
喫煙する。淡い!
ごく軽いタッチ。ライトさではQuai D'OrsayやHoyo de Monterreyに匹敵するのではないだろうか。そこにアップマンの個性であるトースト感やレザーなどが薄く浅く広がる。
この淡さのために逆に味覚がはっきり開き、一片の味わいも逃すまいと働く。焦げていない食パンのトースト。熟す前の桜桃。
ここまでライトなスモークにした意図はなんだろうか?澄んだ味わいはコネスールNo.1の更にその上を行く。ギリギリ感じられる限界の線のようなタッチが舌の上をかすめていく。

中盤はさらに淡く、雪のように消えそうな繊細なタッチに。
この質感はいいのだが、うま味・コクともにやはりたっぷりとは言えない。そのあたりが欠落しているという感がどうしても拭えないのだ。
ナッツの加わったアーシーさが立つ。アフターは薄い。軽やかに弾むようなスモークだ。

終盤、リングを外してブローを試みる。トースティな味わいは一貫している。
軽快な、という形容詞は薄い、という印象と紙一重だ。この葉巻、吸っているときは軽快な表情を見せるがアフターは薄く浅い。
葉巻は終盤につれ喫味が重くなっていくものだが、このシガーは軽快なままだ。そう考えると非常に興味深いシガーと言える。

60分で喫了。
ハバノスからの挑戦だろうか。ごく簡単な印象を記すなら朝から楽しめるライトな1本というところだが、ハバノスらしくないこのブレンドは意欲的な考えからだろうか、それともリガドールの企画倒れだろうか?
なんにせよ、ハバノスは開けて終わりではない。熟成を重ねて全く違う顔を見せてくれることもある。過去にはMontecristoの古いELなどが全くその通りだった。注意深く熟成を見守りたい。

LABEL : H. Upmann