Ramon Allones Allones No.2 Edicion Limitada 2019
2021-11-12
2019年のエディシオン・リミターダは新たなイメージのパッケージングがひときわ目を引いた。セナドレス、スプレモス、そしてこのアロネス No.2である。もちろんハバノスは中身にも手を抜かない。
アロネス No.2はブランドのイメージカラーであるグリーンの紙製の外箱に、これもまた緑色のペイントがなされた10本入りSBNが納められている。
サイズはRG52x140mm、ビトラ・デ・ガレラ:カンパナス(ビトラ・デ・サリダ:ピラミデ)。Bolivarベリコソス・フィノスやSan Cristobal de la Habanaラ・プンタと同じビトラとなる。
余談だが、特別限定ヒュミドールを除けばこのビトラのシガーを最も多くの種類で展開しきたのはラモン・アロネスである。このシェイプとブランドのテイストが相性がいいのか、それともHabanos S.A.のブランドマネージャーがこのビトラを偏愛しているのか。
紙箱から出し、SBNの留め金を外すと、ラモン特有の燃えるような強いタバコ香、レザー。
ラッパーはマデューロで表面はオイリー。通常のリングと黒金の2019ELダブルリングが巻かれる。
1本取り出し、尖ったヘッドをフラットカット。ごく強いタバコ香。燃える松明。
喫煙する。オイリーな強いスモーク。強烈なレザー。
ビターをはらんだ鋭いタッチとぐっと来るストロングなテイストはパルタガスの親といえるラモン・アロネスの面目躍如だ。カシューナッツの甘み、鰹節系の出汁。ナツメグ。ペッパー。
うま味は強く、アフターにコクをしっかり感じる。むやみやたらと強烈なわけではない、その奥にみっしりと収束した明快なうま味が広がっている。
ペッパーとレザーが効いた重厚な味わいが、中盤は楽しめる。
歴代のラモン・アロネスのELのなかで、最も喫味の強いシガーではないだろうか。ヘッドの形も強さに作用しているのだろうが、味わいが強いと、ややもするとかすれがちになるうま味の輪郭をはっきりと形作るこのブレンドは素晴らしい。
奥には和菓子系のねっとりとした甘みが染み出し、立体感・積層感をかもし出している。
終盤はヨード香に彩られ、分厚い昆布が怒涛のように押し寄せる。アフターのペッパー、レザーも強烈。
ブローすると複雑なグラス(草)系とスパイスが顔をのぞかせる。
序盤から一貫して――ラモンの特性だが――強さはあるが荒さ、硬さはない。峻厳だが、あくまでスムースな体験をもたらしてくれる。
50分で喫了。
EL味、で片付けてしまうのは簡単だが、個々のELにはそれぞれその下に特徴を持つ。
ブランドからして強烈な個性を予測していたが、それを悠々と超えてくるのがハバノスのELだ。このアロネスNo.2も独特の世界観を煙の中に見いだせる。
すぐに喫煙しても、熟成を重ねても美味いハバノスだが、伸びしろが充分に見て取れるこのシガーがこれからどのように変化していくのか、考えるだけでも楽しい。
LABEL : Ramon Allones 【Edicion Limitada】