Partagas Churchill de Luxe '02

2021-12-14

パルタガスにもチャーチルの名を冠したシガーがあったことはご存知だろうか?
チャーチルの名はロメオ・イ・フリエタの専売特許ではない。ボリバーにも、オヨ・デ・モントレイにも、パンチにも、サン・ルイ・レイにもあった。が、今は廃盤となりロメオの金看板になっている。
チャーチル・デ・ルクセは1960年代から2006年まで生産され、それ以後このブランドからこのビトラは失われた。

サイズはRG47x178mm、ビトラ・デ・ガレラ:フリエタNo.2(ビトラ・デ・サリダ:チャーチル)。25本入りドレスボックスで販売されていた。現行のリングになる前に廃盤になったので、必ずCIFUENTES(シフエンテス)の名前入りリングがついている。
コロラドラッパーは張りがあり、現行の若いシガーと見紛うばかり。淡くレザーの香りが漂う。
ボックスプレスされてフットは四角い。表面にオイル分がたくさん浮き出ていた痕跡が、触り心地に現れている。

ヘッドをフラットカット。フットに火を回す。油分の多い薪の燃える焚き火。
喫煙する。はっきりとした主張のレザー。明確な輪郭があり、硬さや雑味は一切ない。
油っぽさはなく、それが抜けて残ったうま味が浮き出したようで強烈に味蕾を刺激する。

柔らかくウッド。まろやかなパルタガス特有の、むき出しの木のうま味のような滋味深さ。
キノコの出汁。香木。コーヒーが心地よく刺激する。フル。強いうま味と深いコク。


煙の粒子が細かく、非常に繊細なタッチ。中盤はレザーがひときわ目立ち、パルタガスの個性を存分に発揮する。
奥行きが広く、層をなす味わいは引き込まれそうな感覚を伴う。乾燥椎茸。きな粉。ほんのりビター。

終盤、ブローするとピンクペッパーとともに凄まじいうま味が噴出する。グアニル酸のようなうま味に脳が揺さぶられる。
まるで自分の正体を思い出したかのように、苛烈にレザーが勢いづく。
それらが渾然一体となり、しかし整然と重なり合い、終局に向かっていく。

70分で喫了。
ルシタニアスとはまた違う、どちらかというと端正に整った姿。
しかしパルタガスらしさは少しも失わず、むしろその奥に隠されたものを眼前に差し出してくれる。
すでに廃盤となってから長いが、素晴らしい体験と引き換えに探してみたいと思わせるシガーだ。

LABEL : Partagas 【Aged】