Sancho Panza Gran Quixote 2017 ER Belux

2022-01-12

2017年にベルギー・ルクセンブルグ限定で登場したサンチョ・パンサがグラン・キホーテだ。
2010年にスペインのエディシオン・レヒオナルで出たのはキホーテ。どちらもブランド名からドン・キホーテを意識したネーミングとなっている。
そしてこちらはパレホでなくペルフェクトとなっている。サイズはRG52x162mm、ビトラ・デ・ガレラ:ロメオ(ビトラ・デ・サリダ:ペルフェクト)。Cuabaのディスティンギドスと同じビトラといえば想像しやすいだろうか。
10本入りのニス塗りSLBに収められ、10000箱の限定となっている。

箱から取り出し観察する。
ラッパーはマデューロ。表面はつやつやと輝き、ヘッドから肩のラインも丸みを帯び、職人の卓越した腕を想像させる。香りはごく薄くウッド。

ヘッドをカットしフットを炙る。ペルフェクトのフットをカットするのは正しくない。
最小径から最大径への味わいの変化と盛り上がりがペルフェクトの要だからだ。

細く昇る煙は白樺の焚き火。喫煙する。
ウッドをメインとした、旨味のあるビター。魚の発酵食品を思い起こさせる。チョーク。海藻。ミディアム。
サンチョの特色、エグみのない爽快なビターの後ろに植物系のうま味が控えて、華やかさを抑え素朴なタッチの中にも、滋味あふれるしっかりとした味わいが楽しめる。

中盤。昆布とキノコのうま味をウッドが包み込む。味わいは拡大し収縮しを繰り返し、奥行きと立体感を感じさせ、終端が見えない。
突然カカオが現れ、ウッドと融合し鮮烈な味わいと化す。変化が目まぐるしい。

終盤はぐっと喫感が増し、力強いアロマ。
ブローすると甘さとビターがぐっと引き立ち、アロマが爆発する。
アフターに現れるミントが味わいをぐっと締め、爽やかさすら感じる。
どこまでも無限に広がるウッドの膜にくるまれて、いつの間にか終局を迎えた。

70分で喫了。
古きシガーの形でこのブランドが表現したかったものはなにか。
華美ではないがハバノスの魅力が一杯に詰まったグラン・キホーテで、それを感じ取ってほしい。

LABEL : Sancho Panza 【Edicion Regional】