Juan Lopes Selección Especial
2022-02-01
ファン・ロペス セレクシオン・エスペシアルはファン・ロペス150周年とラ・カーサ・デル・ハバノのフランチャイズ30周年を祝い発表された。
発表されたのは2020年で、当初からその豪華なパッケージングが注目されていた。
詳細は別の記事に譲るとして、サイズはRG52x170mm、ビトラ・デ・ガレラ:フォルトゥナス(ビトラ・デ・サリダ:ダブルロブスト)。同ブランドで2009年にイギリス向けにリリースされたERのセレクシオン・スプレマと同じビトラにあたる。
25本入りの特別な塗装の施されたボワト・ナチュール(BN)に収められている。
箱を開けると、まずその堂々としたビトラが並ぶさまに圧倒される。
一本取り出して葉巻をチェック。
葉脈の少ないなめらかなラッパーはコロラド。非常に美しい。ヘッドの処理も巧みで、トップの職人が手掛けたものであろうことがすぐわかる。
フットに火を回す。乾燥した白樺の焚き火。
喫煙すると、ほんのりレザーを帯びたみずみずしいウッド。濃厚なスモークはたっぷりのフィラーが織りなす重層感。瞬間瞬間でウッドの深みが変化し、万華鏡のような様相。
ナッツ、きな粉、浅煎りのコーヒー。ミディアムフル。
その体躯から重々しさを連想していたが、いい意味で裏切られる。
タッチは軽く、余韻は長い。レザーも濃すぎず、心地よい。植物系のうま味。
灰を落とすと白粉が立つ。レザーと融合したメロウなタッチは、その時点でこの葉巻がやはり他とは別格だという予感を確実なものにする。
中盤はタッチがドライになりナッツが強調される。
華々しさではなく、じっくり芯を味わわせる。ゆっくり花開くように、昆布、椎茸の出汁が湧き出して没入する。
時間を忘れ、大きなシガーもあっという間に短くなっていく。
終盤、ひときわ強烈なうま味に襲われる。
ブローするとグルタミン酸が噴出し悶絶する。脳をしびれさせる、うま味の洪水だ。レザー・ナッツ。
終始味わいのベクトルは変わらないが、その中の振幅というか、変化する幅が非常に広く息もつかせない。このブランドでこのシガーで表現したかったことがよく分かる。やはりハバノスは芸術品だ。
80分で喫了。
コレクション欲がうずくボックスも美麗だが、真価はシガーそのものに宿る。
やはりLCDHにハズレなしだ。
LABEL : Juan Lopez 【LCDH】