Romeo y Julieta Petit Coronas '77

2015-06-03



以前、古いロメオをテイスティングしたが、これもまた古いロメオである。

ロメオ・イ・フリエタは2012年ついにモンテクリストを抜き、Habanos S.A.が生産する葉巻の中で販売数一位になったという。

 

ワイドチャーチルやショートチャーチルの活躍によると思うが、ペティチャーチルの登場でそれは不動のものとなるだろう。
 
サイズは42×129、マレバス(ペティコロナ)。リングはなく、断面が丸いところを見ると25SLBと思われる。
表面には引き攣れた手術痕のような葉脈が走り、所々青あざのような斑点がある。やや産毛があり、古い葉巻共通のがっちりしたキャップが巻かれている。
色は淡いコロラド。
香りは淡いタバコ感を保っている。他の葉巻と一緒にヒュミドールに入れておいたので移り香だと思うが、それは着火すればわかることだ。
 
フラットカットでフットを焦がす。立ち昇るのは香木。極上のものだ。期待を込めて口をつける。
……まごうとこなきビンテージ。
 

ビター感に包まれた煙をひとつひとつ紐解く。
古い香木、焦がした大麦、牡蠣殻、遠くに木質の甘み。喫感はミディアムボディ。
力強いタニックはまったく枯れておらず、現行のロメオ ペティコロナと全くテイストが異なる。
ホワイトグレーの灰が3センチほどに伸びたところで叩き落し、強く喫煙する。灰は柔らかい。
ビターを纏いつかせた甘みはアフターに強烈になり、冒頭からずっと続くガス香もぐわん、と立ち上がる。煙を吐いたあとに口腔に残る後味は塩煎餅に近い……
 
中盤に差し掛かると、テイストは急にマイルドになった。
乾燥した牧草が沸き立ち、甘みが表舞台に躍り出る。甘みはわかりやすいレベルにまで輪郭がくっきりとしてくる。穀物の甘み。滴り落ちる。
 
雑味のない澄んだ甘さにしばしたゆたっていると、すでに終盤に差し掛かっていた。
終盤、小麦の甘みはいつの間にか木質の甘みにすり替わり、香木は鼻を突くほど太くなってくる。
残り2センチを残し、40分で喫了。
現行と吸い比べると面白いかもしれない。あと何本かあるのでそのような楽しみ方も良いだろう。

LABEL : Romeo y Julieta 【Aged】