Ramon Allones Petit Unicos 2009 ER Canada

2023-03-14

スタンダードラインナップの数は少なくなったが、反比例してエディシオン・レヒオナルがどんどん増えていくのがラモン・アロネスだ。
このペティ・ユニコスは2009年、カナダ限定で発売された。

サイズはRG50x127mm、ビトラ・デ・ガレラ:ペティ・ピラミデス(ビトラ・デ・サリダ:ペティ・ピラミデ)。プラドと同じビトラとなる。
限定品のみにしか与えられない、希少なビトラだ。
パッケージングは25本入SBNで、1200箱が生産された。

ラッパーはコロラド。艶のある表面はたっぷりとオイルを含んでいる(いた)であろうことがうかがえる。リングはスカスカになっている。
香りは非常にウッドが濃い。10年以上を過ぎても、かなりの強さを秘めているのではという期待に胸が高鳴る。

尖ったヘッドをフラットカット。フットに火を回すと、かなり硬い感じのウッドの芳香。
喫煙する。
予想通り、かなり重い。ヘビーなウッド。カチカチのレザーの塊。そして鰹節のような強烈なうま味。
明らかなイノシン酸を感じる。喫感は重たいが、棘っぽさや雑味は何もない。
決して大きいとはいえないビトラだが、ダブルコロナにも負けないボリューム感。

アフターにはフルーティな紅茶を感じ、口腔は華やかな花のアロマに満たされる。
重々しさと華やかさという、一見相反するような特性が矛盾なく融合している。
味わいの奥行きは広大無辺。目を閉じると果てがなく、捕まえられない。

中盤、ほんのりニュアンス程度のペッパー感と、鼻を抜けるフローラル。
そして深いコーヒー、レザー。鰹の一番出汁に陶然とする。
ズンとくる喫感と味の暴力。コース料理で、ずっとメインディッシュが来続ける感じだ。

それは終盤まで続く。
そしてブローすると炸裂する石鹸と薔薇。
鼻腔に香水をいっぱいに吸い込んだような感覚。
夢見心地の50分。

しびれるシガーだ。完璧な環境で年数を経たハバノスに起こる、あの化学変化を余すところなく楽しめる。
熟成には強いブランドが向いているというのは、あながち間違いではないと思う。
それも厳選されたレシピであるERなら、外れはないだろう。

LABEL : Ramon Allones 【Aged】 【Edicion Regional】