H. Upmann Magnum 48 Edicion Limitada 2009

2015-06-03


エディシオン・リミターダはHabanos S.A.の戦略として2000年から始まった、その年のみ限定販売される特別なシガーだ。
2年間熟成させたタバコ葉で作られ、金のダブルリングで装飾され送り出される。ELのために新たなサイズが設定される場合も多い。
当初はグローバルブランドのみをELとして送り出していたが、いつのまにかローカルブランドでも生産されるようになった。
当然その年のみの生産となるため、古いものほど市場には数が少なくなり、昔のELはプレミアがついている。吸わずにとっておくのは至難の業だからだ。
 
マグナム48は2009年に発売された。この年はアップマンの他にボリバーとロメオもELとして発売されている。
サイズは名前の通り48×110、マグナム48(コロナ・エクストラ)。

ラッパーの色はコロラド・マデューロ。木目のように斑に濃いブラウンが広がっている。

触った感じはやや硬い。少し節が出ているように見えるが綺麗なラッパーだ。
香りはふくよかなウッド。サイズもサイズなので、カットすればドローはスムーズだ。
 

フットを焦がし、ひと口吸い込むと鮮烈なビターが口腔を吹き抜けた。
それはすぐに押しの強い木質感に変わり、控えめな甘みを舌が感じ取る。
喫味はミディアムボディ。
野太いウッディのファーストアタックは小兵な外見からは驚かされる鮮やかさ。
短いので葉巻内部が蒸れてくるのも早い。鞣革、鉄、砂糖黍をシャープな木質感がひとつにまとめている。
2センチほどで白い灰を落とし、直接喫煙する。焦がした小麦菓子だ。奥底に蜜感が潜んでいる。
 
中盤、短いビトラなのでリングを剥がすとその下にブルームが広がっていた。
甘みは静かに強くなっていく。菌糸っぽさ、椎茸のような旨みを伴う。
コクは強い。アップマンのキャラクターはそのままに、喉奥にはりつくような厚みのある木質感が良い。
そんな批評を頭の中で考えていると、もう終盤だ。この短さが憎い。
ひとしお甘みを際立たせ、後味にビターの尾を靡かせながら燃え尽きた。
50分で喫了。ELのリリースは世界中のシガースモーカーの楽しみのひとつとして完全に定着している。

LABEL : H. Upmann 【Edicion Limitada】