ファン・ロペス パナテラス・スーペルバ。2006年ディスコン。小さく細い、小ぶりなビトラだ。
サイズは34×125、プラセラス（スモール・パナテラ）。1960年代に生産が開始されたものらしい。種類の少ないファン・ロペスでも、めっきり見なくなった葉巻だ。
ラッパーの色はコロラド・マデューロ。
プレスされてリングも妙なところで曲がっている。表面はやや荒め。油分が抜け切って撫でるとカサカサと音がする。
ところどころ、ブルームの残滓が白い光を反射している。
香りは紙っぽい。乾燥した広葉樹の枯れ葉。

着火すると、熱した鰹節のような香りが漂う。
煙を吸い込むと魚介のダシの効いたスープを、削りたての木のスプーンですするようなイメージ。
アーモンドの皮、コーヒー豆、おが屑。ミディアムボディ。
背景には木質感とビターがある。ビターは小気味よく味蕾を刺激してくる。
 

朽木になんとか頑張って火をつけた焚き火の味。強く燃焼させると、絞ったような若干の甘みに、ほのかな白粉。
中盤に白粉が強くなる。喉の奥へ通ると煙はビターな木質感を残していく。ややペッパーなテイストを加えて…
白粉にいつの間にか粗糖も加わり、仄かな甘みを見せて終盤へ。
指が熱くなるまで吸う。甘みと白粉と木質感に包まれ、40分で喫了。
サイズが小さいから軽く……というふうに吸うにはもったいなさ過ぎる葉巻だ。