Belinda Demi Tasse '92

2015-06-03

 

ベリンダはもう全てのビトラが廃盤となったのだろうか?今年キューバに行ったときもプラスチックチューボ入りのコロナスは見なかった。

またひとつ、ハバノスのブランドが消えていく。
 
ベリンダ デミタスは2005年にディスコンになった。
ロングフィラーのマシンメイドで、サイズは32×100、デミタス(スモールパナテラ)。
25本入りの化粧箱にセロハンに包まれ整然と並ぶ。
 
取り出して観察してみる。セロハンは経年変化でヤニで染まったガラスのように茶色く変色している。

ブランデーを思わせるようなまったりとした思い煙草香。湿った朽木。

ラッパーはコロラド・クラロ……というより、黒ずんだカンデラ。黒い斑点がぽつぽつ浮いている。表面をなぞるとごつごつしている。
ボックスプレスでフットは四角い。リングは痛みが激しい。
 
フラットカットして小さな吸い口を作りフットを焦がし着火する。
干した甘草のような芳香が一瞬立ち上がり、その後炭化した栗の皮のような味が口腔に広がる。
が、そこまで。
2口3口と吸うとビターで平板な煙草味に落ち着いた。
それにしても、ドローが硬い。
 
 
ロングフィラーとはいえ、マシンメイドでこれは硬すぎる。
クバタバコ時代はクオリティコントロールが杜撰だったとはいえ、このサイズでこれはかなり厳しい。合理化や改良が進むのも悪し様一辺倒ではない。
ビターを主軸にした古い藁半紙と薄い木材。強く燃焼させてもそれほど変化はない。
 
中盤は土っぽさが増してきた。湿気を含んだ黒土。灰は濃いグレー。
よくよく探ってみると黒土の奥に甘みの芯があるような。ないような。コクはあるが、旨みがやや乏しい。
そう思っていたら、終盤にぽっと小さな花が咲いた。
葉巻が発奮したのか。ドライフラワー、古い乾燥椎茸。木の実の苦い薄皮。
30分で喫了。昼にさらっとエスプレッソなどに合わせるとちょうどいいかもしれない。

LABEL : Belinda 【Aged】