Punch Black Prince '99

2015-06-03



ブラックプリンスというかっこいい名前のこの葉巻は、パンチの中でも仲間が多い。
パンチ・パンチ、スーパーセレクシオンNo.2、ロイヤル・セレクシオンNo.11とまったく同じビトラで見分けが付かないのだ。ヒュミドールの中で混ざってわからなくなってしまい、涙を飲んだご同輩も多いことだろう。
だがこれらの兄弟のなかでまだ生産されているのはパンチ・パンチのみ。これはちょっと納得いかない。

サイズは46×143、コロナス・グランデス(グランコロナ)。
鼻を近づけると、紙っぽさの中に草っぽさ。ほのかなレザー。
ラッパーはやや明るめのコロラドで、現行のパンチ・パンチより綺麗だ。表面はすべすべとしており艶がある。
フットは四角く葉巻は転がらない。この葉巻は化粧箱だけだ。

フラットカットして空吸いしてみる。ドローよし。
フットを炙ると、すぐに糖蜜の甘い香りが広がった。

麦芽の甘み、ビスケット。カラカラの流木の焚き火。小気味いいビターを感じる。
喫味はミディアムフル。凄まじいまでのアロマだ。
上顎に滞留するビターの余韻は特筆に価する。
灰を落として強喫煙してみる。
魚介類のスープのような強烈な旨みに口中を洗われ、唾液が止まらなくなる。その後味も甘く、さらにあとをひく。



中盤にはぶ厚いレザーが立ち上がり、ビターと花のアロマにむせる。
ほんのりとした甘みはいつまでも持続している。
余韻、後味の鮮やかさは変わらず目を見張るばかりで、どうしてもスパスパとやってしまいそうになる。(実際やっている)

あっという間に吸いきり終盤になってしまった。早すぎる。だが、口中には不快な感覚は何もなく、これでいいのだと肯定する。
終盤は今までの味わいにアーシーなテイストが加わり、口の中でパレードが始まる。
終焉に向かうパレードだ。

残り2センチで40分で喫了。
4兄弟の中でもトップに君臨するのではないだろうか。

LABEL : Punch 【Aged】