La Gloria Cubana Medaille d'Or No.1 '97

2015-06-03

ラ・グロリア・クバーナ メダーユ・ドールNo.1。

2010年にディスコンとなっておりメダーユ・ドールNo.2と双璧を成すこのブランドの顔だ。
 
サイズはエレガントな36×185、デリカドス・エクストラ(ロングパナテラ)。
こういうサイズをハバノスで見なくなって久しい。
メダーユ・ドールらしく898ボックスに詰められているが、10本入りの珍箱も存在する。
 
箱を開くと、豊饒な大地の香り。
ウッドとレザーが混ざり合い、驚くほど若々しい芳香を放っている。
 

表面には薄くブルームが広がっている。
ラッパーはざらざらとした感触でコロラド・マデューロ。走る葉脈がブルームに陰影をつけて複雑な表情を醸し出している。
フラットカットで空吸いする。枯れたドローは良好だ。
 
ヘッドを炙ると、仄かに甘い香りが立ち昇る。
ひと口吸うと、深い花園に引きずり込まれた。
ケミカル系の甘み、小さな花、ウッド、鞣革。
喫味はミディアム。
複雑に入り組んだ味わいに一本芯が通っている。
 
灰を落として強喫煙する。ケミカルっぽさはガス香へと昇華して口腔を直撃する。シュークリームの皮のような甘みも開いた。
幻惑される。
 

深遠な複雑さを持つ杉材と甘みを行ったり来たりする中盤。
立体的な味わいは旨み、コクともに備えていてまったく飽きが来ない。というより、どんどん前かがみになって喫煙してしまう。言葉もない。
 
終盤、金属感が立ち上がりウッドと絡み合う。
喫味はやや太くなり香木の旨みがぐんぐん昇ってくる。
優しい甘さとハードなウッドの両面を何の矛盾もなく持ち合わせている。忘我である。
 
残り5センチでさらに旨みがせりあがって来る。
90分で喫了。
葉巻の全てがここに詰まっている。

LABEL : La Gloria Cubana 【Aged】