Cohiba Maduro 5 Genios '10

2015-06-03

 

ヘニオスは2007年にリリースされたマデューロ5のひとつだ。他にマヒコス、セクレトスとありヘニオスは一番大振りなシェイプになっている。

サイズは52×140、ヘニオス(ロブスト・エクストラ)。
10本入りと25本入りが黒塗りのコイーバによくある形のSBNで提供されている。
 
箱から取り出すと、ウッドを纏った深いレザー香。
ラッパーはマデューロなので、指で触ると厚みを感じる。
色が濃くなるほどラッパーはぶ厚くなるので、薄い色が好まれたクラシックな時代にはこのような色はほとんどなかった(経年変化で黒ずんだものはマデューロとはちょっと違う)。
 
通常よりかなり長く葉を熟成させるマデューロ5は、ラッパーは5年、フィラーとバインダーは3年だという。
……となるとグラン・レゼルバの立ち位置がかなりあやふやになるが、ハバノスは合理化とは程遠い体質で、日本的な考えにはそぐわない。笑い飛ばして吸おう。
 
着火すると、重厚なウッド。
通常のコイーバに比べると、ビターなカカオみが強い。しかしその奥にはコイーバ独特の味わいが隠れており、確かに主張している。
エディシオン・リミターダに共通する感触があり、濃厚だがしつこさを感じさせない喫味はあとを引く。コク深い。ミディアムフル。
 
すぐに厚みのある甘さが出てくる。ねっとりとしたダークチョコレート、蜂蜜、新鮮な杉材、アクセントにアフターのホワイトペッパー。序盤から素晴らしいハーモニーはさずがのコイーバだと唸らせる。
 

煙を吐いたあとに舌に残る感触が、蜂蜜をたっぷり塗ったトーストをかじったあとにそっくりだ。
強喫煙すると、それがさらに鮮明になり、ウッドもみるみる存在感を増す。
 
中盤、葉巻の内部が蒸れて甘みがやや和らぐ。ビタースイートな感じになり、ちらほら顔を出す胡椒もアクセントになり飽きさせない。
 
終盤はカラメルが強さを増してくる。
全体を通して、パティシエが作ったスイーツを味わっているようだ。甘さも単純なものではなく刻々と変化し、その幅も大きい。
70分で喫了。
 
マデューロ5シリーズはコイーバの中でもややイロモノ扱いされているような感じだが、非常に味わい深い。
コイーバELやグラン・レゼルバと吸い比べると、また面白いかもしれない。

LABEL : Cohiba