Rafael Gonzalez Tres Petit Lonsdales '99

2015-06-03

 

ラファエル・ゴンザレス トレ・ペティ・ロンズデール。ハバノスにはこのように、似た名前や似たサイズのビトラが氾濫していた時代があった。これらは2002年を境にほとんどがディスコンとなったが、喫煙してみれば見た目以上にその違いが大きいことに気づく。

トレ・ペティ・ロンズデールも2002年に廃盤となっている。サイズは40×116、フランシスカノス(ペティコロナ)。25本入り化粧箱で販売されていた。

10年以上を経た葉巻によくあるが、表面がカチカチに硬化している。ボソボソした感じで、油分はすっかり失われている。
ラッパーの色も昔はコロラドだったのだろうが、くすんだコロラド・マデューロに変化している。
ブルームが浮かんで長い時間の間に消えた痕跡がある。それにしても、古いシガーのキャップはどれも深くぎっちり巻かれていて非常に良い。

古い日本家屋の香り。新聞紙を敷き詰めた古タンス。
フットを吸うとドローは申し分ない。シザーの刃を回してフラットカットすると、パリパリッと音がした。

 



フットを炙ると、ラファゴン特有の淡い甘い香りが漂う。
喫煙する。小麦菓子、レザー、太い薪。ビターズ、レーズン、黒土。それらのテイストを、ややビターなガス香が覆っている。
ボディはミディアムフル。どっしりした印象の喫味がする。

喉奥から鼻に抜けるビターな煙の感覚が非常にシャープだ。古い陳皮のような味わいもアクセントになり、とてもコクがある。
白い灰を落として強喫煙する。突然、白粉が噴出して顔中がまみれる。即座にミントが広がり、その中に直線的な鋭い甘みがあった。とても立体的な味わいにしばしまどろむ。

中盤にはガス香が濃くなり、白粉とせめぎあう。渾然一体となったハーモニーが口腔を満たし、エイジドシガーの実力を見せつけられる。
ビターは単純な苦みではなく、旨みを核とした「うまさ」だ。

終盤、蔦が一瞬で生い茂るようにウッドが場を支配する。
ウッドとビターが絡みあった喫味は麻薬的で、短くなったシガーの熱さで覚醒するまで忘我の境地へ放り込まれていた。50分で喫了。

諸手を上げてエイジド全部を賞賛することはないが、この年数に耐えてこの喫味と化すこのビトラは驚嘆に値する。
絶えて久しいこのサイズをラファエル・ゴンザレスが料理するとこうなる。ハバノスはいつも新鮮な驚きを与えてくれる。

LABEL : Rafael Gonzalez 【Aged】