Romeo y Julieta Romeo No.1 '05

2015-09-27

チュボスは独特な熟成の仕方をすることは理解している。キモは空気の遮断だろう。
外界から遮断されたシガーは手持ちの空気と水分と微生物だけで、静かにゆっくり熟成を深めていく。さながら幼虫が繭の中でどろどろに溶け、蝶へと生まれ変わるように。

ロメオ・イ・フリエタ ロメオNo.1はNo.3まで同じくチュボスだ。2002年まではマシンメイドのそれは、2008年からチューボのデザインが変更されている。手元のビトラはクラシックなアルミの色剥き出しだ。
サイズは40×140、クレマス(コロナ)。このナンバーシリーズは現在も生産されている。

チューボから葉巻を抜いて鼻を近づける。
新鮮な獣臭を保っている。ウッド、レザーもはっとするほど色濃く、まだ巻かれたばかりのように瑞々しい芳香を放っている。
コロラドラッパーは弾力があり、触れるとはじけるよう。表面は湿気ととオイルでしっとりとし、ビロードのような質感だ。

ヘッドをフラットカットする。湿度を多く含む手応え。
フットを吹くと、ドローは軽い。

ヘッドを焦がす。立ち昇るアロマに、思わず甘い!と声を上げる。
喫煙すると、ねっとりとしたカラメルが口中に侵入してきた。
ともすればエグみスレスレのしつこいほどの甘みが、鮮烈なウッドと香り高いレザーを引き連れて味蕾を刺激する。

喫味はミディアム。旨みが強烈だ。
灰を落として強喫煙すると、白粉の中に爽やかなミントが広がる。
チョーク、干し肉。ほのかな柑橘系のニュアンス、古紙の束、流木の焚き火。

中盤はウッドが伸びてくる。甘さは立体的に手を広げてくるウッドに収納されてゆき、曖昧な状態に落ち着く。
葉巻内部の湿度が高くなりドローが重くなる。
テイストも重めになってくる。

終盤、コクが深くなり、重々しい感じになってくる。
アロマは衰えを知らず、燃え上がるミントは口腔奥を刺す。
45分で喫了。
チュボスはびっくり箱のようなもので、いつも驚きと発見をスモーカーに与えてくれる。

LABEL : Romeo y Julieta 【Aged】