La Escepcion Don Jose 2015 ER Italia

2016-02-01

もはやおなじみになった新エスセプシオンの黒いリング。リング横には「DON JOSE」とありセレクトス・フィノスとの違いを示している(ちなみにセレクトス・フィノスも「SELECTOS FINOS」とある)。芸が細かい。

ドン・ホセはサイズは48×127、ヘルモソスNo.4(コロナ・エクストラ)。25本入りドレスボックスで4000箱が生産された。箱の中にはやはりディストリビューターであるディアデマ社の名前が印刷された紙が入っている。箱表面にはQRコードのシールが貼ってあり、読み取ってみるとディアデマ社のHPに飛ばされた。

 

まだ巻いてさほど時間が経っていないためか、若々しいタバコ葉の香りと新しいドレスボックスの香り。柏餅の柏の葉のような香りだ。

ラッパーはコロラドで、表面はみずみずしい。仕上げは正直あまりよろしくない。

急いで作ったのか、リングの合わせも適当で、ゴマ(葉巻用の無味無臭・植物性の糊)が多すぎたのか葉巻同士がくっつき、ラッパーを剥がさないようにするのもひと苦労。ヘッドの処理も甘いものが多い。

国限定である品なので、なんだこの品質であの国は満足なのか、と思われないようにしてもらいたかったいう感はある。

ヘッドをフラットカットし、フットを炙る。緻密な若い木材を燃やした香りが立ち昇る。軽くレザー。

喫煙すると、口の中に甘みが広がった。

カカオの強いホットチョコレート。ブラックペッパーの粒入りだ。分厚いその層のそのすぐ背面にはしなやかなウッドが控えている。

チョーク。蜜蝋。白粉。ナッツの薄皮。ヨーグルトのようなコク。

セレクトス・フィノスと比べると、やはり肉厚の旨みだ。ミディアムライトボディ。

3センチほどで白い灰を落とし強喫煙すると、粒黒胡椒は粉砕され鼻に抜けなんとも爽快な喫感を残していく。

中盤はカカオがやや和らぎ、ウッドとレザーが全面に顔を出してくる。

アフターは結構野太く、口腔奥に樹の咆哮が遠くからこだまする。吹き戻して優しく吸うと樹液の蜜のような甘みが舌の上に落ち、喫煙が楽しい。

 

ウッドがみるみる太くなり終盤、ペパーミントが立ってくる。乾いたウッドのカラリとした喫味と融合し、非常に爽快。しかしコクは深く、しっかりした旨みが味わえる。

残り3センチで再びペッパー。60分で喫了。

「国限定」という文句に踊らされるのはいやだ、という人がいるがERはぜひ体験してもらいたい。各ブランドの特性を把握した上で国ごとの違いを読み取り、その方向性を想像するのはとても面白い。確固としたシガー文化が存在するヨーロッパ向けならそれもひとしおだ。

LABEL : La Escepcion 【Edicion Regional】