Romeo y Julieta Sports Largos 70S

2016-10-11



スポルツ・ラルゴス(スペイン語に近くするなら「ソールス・ラルゴス」か)はロメオ・イ・フリエタの歴史の中でも長く愛されてきたシガーだ。
ちょっと変わったくくりで、ショートフィラー・マシンメイドでセロファン入りとセロファンなしの25本入りドレスボックスが60年代より生産され続けてきたが、2002年にセロファン入りが廃盤となった。あわせて、それ以降はロングフィラー・ハンドメイドへとチェンジした。今回のこれは、マシンメイドのセロファン入りだ。
サイズはRG35×117mm、ビトラ・デ・ガレラ:エスポーツ(ビトラ・デ・サリダ:ショートパナテラ)。

セロファンは揮発した成分とヤニで黄ばんでいる。このシガーが過ごしてきた時間の長さを感じる。
中身を取り出す。



ラッパーはやや緑がかったくすんだコロラド。フットは四角い。マシンメイド特有の楕円形のヘッドをしており、鼻を近づけると机の引出しに入れっぱなしの古い手紙束の香りがした。

願いを込めてフラットカット。マシンメイドでこの古さだ。ヘッド周辺からシガーがバラバラに分解していく姿が見える。幸い、うまく切れてくれた。
フットを焦がす。埃っぽい藁の燃える香りが立ち昇った。

喫煙する。乾燥したレモンの皮、ごく薄い乾いたレザー、カンゾウ、アフターにずーんと甘み。ビンテージシガー特有の、あの極わずかな渋みを備えた枯れ感がある。ミディアムライトボディ。巻かれた当初はかなり濃かったのではないかと推測される喫味だ。



ビターの中に旨みがある。ウッドの芯に甘みがある。
細め小さめのビトラなので強弱を付けての喫煙のコントロールも強喫煙も慎重さが必要だが、鰹節やドライフラワーなど様々なテイストを出し、とくにアフターは枯れ節のような余韻が長くうっとりする。

ショートフィラー特有だが、終盤には内部が蒸れてシガーがふにゃふにゃに柔らかくなる。吹き戻してやると白身の焼き魚のような味わいに陳皮、ハーブ。
30分で喫了。旨みの中にすっきりとしたアロマが立ち、小さくとも満足感の高い一本だ。

 

LABEL : Romeo y Julieta 【Aged】