La Gloria Cubana Gloriosos 2008 ER Reino Unido

2017-01-06

グロリオソスはラ・グロリア・クバーナ初のエディシオン・レヒオナル。オーダーしたのはイギリスだ。さすが世界一のシガー国である大英帝国、目の付け所が神がかっている。
イギリスERのご多分に漏れず、リングはオリジナルの多色刷りだ。一般のクバーナのリングの女神さまも美しいが、グロリオソスのリングはすでに絵画だ。このようなイギリス特別のリングはララナーガやファン・ロペスなど他にも色々ある。
10本入りのニス塗りSBNが2040箱製造され、サイズはRG50×155mm、ビトラ・デ・ガレラ:ドブレス(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト・エクストラ)。

香りは乾いたシダー。タバコ香はせず、SBNのウッド香が完全に移っている。
ラッパーは軽めのコロラド・マデューロ。表面はしなやかでややオイリー。フットを吸うとドローは問題なく通る。
ヘッドをフラットに落とし、空吸いする。断面から芯のあるタバコ香が香った。

フットに火を灯す。立ち昇る豊潤なタバコ香。いやがおうにも期待感は増す。
喫煙する。澄んだ、だが濃い甘み。南国のフルーツのような重みとコクのある甘みだ。ベースはウッドだが、巧妙にココア、白墨、甘草が織り込まれ、ひと吸いごとに旨みが舌を直撃してくる。
何よりも葉の雑味のなさ、質の高さに驚かされる。
ハバノスのシガーには元々雑味はほとんどないが(感じるようであればシガーが若すぎるか保管か喫煙方法を見直してみると良い)、経年変化で葉全体が一体化・均質化した事を差し引いても、驚きの質の細やかさだ。
レザガードからすでにイギリス向けシガー用に取り分けているのか。ユーロ、とくにイギリス向けシガーのクオリティのえこひいきともいえるこの差に妬みが抑えられない。



灰を落とし、強喫煙すると「粉っぽさのない白粉」としか表現できないテイストが流れ出た。わずかな柑橘類、ライム。それが膨らみとシャープさを併せ持つ流体白粉に絶妙なアクセントを添えて味の輪郭をはっきり際立たせる。そして目の覚める香り高さ。くせになる体験だ。
葉の質自体が際立っているので、ひとつひとつのテイストがくっきりと感じ取れる。
しかしそれはバラバラであるという意味ではなく、それぞれがベースとなるウッドとタバコのグラデーションの鎖に繋がれている。
白粉を背景に控えた立体的な味わいはメロディアスとも言おうか。中盤はその煙にふんだんにまみれる喜びであっという間に過ぎていく。

ERリングを外し、吹き戻すと鮮烈な白粉の風が吹く。舌の上に残る余韻が、シングルモルトウイスキーのように延々と続く。
ガス香のはしり、ごく微少な粉末のホワイトペッパー。
短くになるにつれ、どんどんと量を増し雪のように積もる白粉。その厚み。
イギリスのブレンダーが精緻な計算で作り上げた葉組みと、それに応えるハバノスの技術力の結晶か。
短くなった葉巻の熱を感じたときには、すでに陶酔していたことにようやく気付いた。

60分で喫了。
その名の通り、まさに輝きに満ちたシガー。ERの世界にも明確な違いがあるという事を教えてくれる罪なシガーだ。

LABEL : La Gloria Cubana 【Edicion Regional】