Partagas Serie D No.4 '16

2017-01-14

パルタガス セリーD No.4は、たぶん一番有名なロブストだ。
日本で最も人気のあるハバノスのブランド、パルタガス。そのロブストであるこのシガーは、シガーを置いているあらゆる店に必ずあるといっても過言ではない。
サイズはRG50×124mm、ビトラ・デ・ガレラ:ロブストス(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト)。ロブスト・オブ・ロブストのビトラだ。

1930年代から1960年代まで、ハバノス支配下以前、別のリングでこのシガーは存在していた。その後、1975年に現行のリングで復活したが、印刷ミスにより現在の「SERIE D No.4」ではなく「SERIE D.No.4.」となっていた。(以後は現在と同じリングだ)
25本入りSBN、10本入りSBN、チュボスに納められた3本入りペーパーパックが販売されている。

ややオイリーなラッパーはコロラド・マデューロ。深紅と金のリングがよく映える。濃いタバコ香とウッドを放つ。
ちなみに化粧箱ではなく木製であるSBNに入っているので、セリーDにボックスプレスは元々ない。(現在出回っているハバノスはプレスをかけているのではなく、単に閉じた蓋にプレスされてフットが変形しているだけなので実際にはボックスプレスとは言わない)

フットを火で炙ると、革の燃える匂いが立ち昇る。
ひと口目は、甘いウッドだ。ふた口目、タバコの強い味が立つ。
そして、レザーとウッドが複雑に絡み合った、パルタガス独特の深いテイストが鼻を抜ける。ビターなキャラメル、ビーフジャーキー、白粉のニュアンス。フルボディ。荒々しい煙が口腔に満ちる。

 


中盤はレザーがひときわ濃く噴出し、深くローストしたコーヒー。熟したリンゴ、バターキャンディ。こんがり焼いた甘いパイを食べているようだ。
ここで灰を落とし吹き戻してやると、完全燃焼したタバコ葉が白粉のニュアンスをひときわ濃く運んでくれる。
これである。若いシガーは湿気を多く取り込んでいるので不完全燃焼となりやすい。
ロングアッシュという日本のみのスモーキングの悪癖では、灰の味を味わってしまう。シガーにより吸い方を変えるのが美味しい葉巻の味わい方だ。

終盤はウッドが濃くなる。複雑な喫味がウッドに収束していくのが分かる。
セリーと通常のパルタガスのテイスティング・ノートは異なる。豪快に、ぐっとタンニンのくるセリーはダイレクトにタバコ葉の旨みが広がり、重いがあっけらかんと楽しめる。60分で喫了。
優秀なこのロブストは、スモーカーのヒュミドールに充備されている事だろう。

LABEL : Partagas