San Cristobal de la Habana Torreon '17

2017-12-07


 

直近で最も新しいサン・クリストバル、それがLa Casa del Habano限定のトレオンだ。
2012年にリリース。25本入りセラミックジャーが2000箱生産された。
(が、実際にところHabanos S.A.が公開している生産数はあまりあてにならない。このボックスのスタンプは2017年だし、ダメージリターンを見越したリザーブもちゃんと用意している。数が少ないのは間違いないのだが)
面白いのは付属しているシガートレイで、ジャーの蓋の上に載せることができる。見た目はその名前の通り、城塞の塔のようだ。

サイズはRG54×150mm、ビトラ・デ・ガレラ:ヘニアレス(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト・エクストラ)。
ボール紙の箱の中に緩衝材の発泡スチロールとともに入っている。
大きなゴムバンドでジャーとシガートレイが外れないようにくっつけられていて、外すとさらに蓋とシガートレイをジョイントするゴムパーツが付けられている。面白い。
シガートレイの取り外し方のなげやりな説明書とロゴがプリントされたプラ板も一緒に入っている。
蓋を取ると25本。一本だけ薄紙に包まれているのは他のジャーと同じだ。取り出して観察する。
この個体にはLCDHのリングがない。再生産品だからだろうか。もちろん出自は確かなシガーにしか手を出さないので(これはキューバのLCDHで購入したものだ)心配はいらない。他にも調べてみたが、シングルリングのトレオンも普通に流通しているようだ。
葉脈の少ない非常にきれいで高品質なラッパーはコロラド、馨しいタバコ香が溢れてくる。表面はオイリー。喫煙欲を刺激する。

ヘッドをフラットカット。ドローをチェックし、広いフットに素早く火を回す。
ふんわりとしたウッディーな香りが広がった。喫煙する。
うわあ、うまい!と思わず声が出る。
キレのあるナッツ、カシューナッツか。ハーブ、バター、濃厚なミルクチョコレート。新鮮なイカのようなコク、魚介類のうま味。
鼻を抜ける清涼な喫味はなんと形容すればいいのだろう。ミディアムライト。
豊かな煙量で、まるで固体であるかのように錯覚するようなうま味の固まりが容赦なく口腔に流れ込む。

 


2センチほどで柔らかい灰を落とし強喫煙する。焼きスルメのような強烈なうま味が舌を貫き、何か別の物を口にしているに違いないと確かめる。葉っぱを丸めた物から、いかにして動物性のうま味成分と同じような味わいが生まれるのか。
そんな疑問を考え進める間もなく、煙がうま味の沼へ引きずり込む。

あまりのうまさに虚脱しながらスモーキングしていると、嵐のような白粉が涌き上がってくる。白粉の予感は着火直後からあったが、ここにきて勢いが増し物理的ともいえる厚みを持つ。その強烈さにさらに忘我に叩き込まれる。

暴力的なうま味に翻弄され続けていると、いつの間にかリングあたりまでシガーが短くなっている。
ブローすると収斂されて切れ味鋭く密度を増した白粉が撃ち抜く。朦朧。
ハーブとペッパーと白粉が完全に融合した終局に震えがくる。

60分で喫了。
ハバノスのジャーで外れは見たことがない。これも素晴らしいシガーだった。
種類の少ないブランドだが、サン・クリストバルを見る目が変わるのは間違いないだろう。秀逸である。

LABEL : San Cristobal de La Habana 【LCDH】