Partagas Serie P No.1 '10

2018-06-14

意外かもしれないが、セリーP No.1はP No.2よりも後のリリースだ。
P2が2005年、P1が2009年。このようにハバノスは名前順になっているとは限らない。
P1は2009年、デューティーフリー・アンド・トラベルリテール・シリーズの三作目として発売された。
25本入りのセラミック・ジャーが紙箱に入っているという通常のジャーのパッケージングで、ダブルリングなどはないが「Serie P No.1」の独自のリングが与えられている。

サイズはRG50x127mm、ビトラ・デ・ガレラ:ペティピラミデス(ビトラ・デ・サリダ:ペティピラミデ)。
小ぶりな体躯だが、コロラドのラッパーは薄くなめらかで、ピラミデの肩もくっと張りヘッドも尖り、熟練の職人が手間をかけて仕上げたのがよくわかる。
すでに表面のオイリーさは失われているが、その残滓とでもいうものがフットから香ってくる。

ヘッドをフラットカットし、フットに火を回す。蜂蜜のような芳香が広がった。
喫煙すると、割ったばかりの杉の薪の新鮮な香り。ヘビーなレザー、やや離れて蜂蜜、色を添えるひと雫のビター。
ウッドのキレが特徴的だ。ドライな喫感だが引っかかる感じがなく、あくまでスムース。フル。
柏餅のようなニュアンス。強いコクがある。


中盤は枯れ葉感が出てくる。
レザーを飛び越えウッドが躍進し、甘さは控えめに。ブローするとオレンジのような柑橘感が全開になる。薄皮一枚めくれば、鮮烈なみずみずしさだ。

終盤は栗っぽさがふつふつと湧いてくる。
コイーバとはまた違うベクトルの栗感だ。
レザーとウッドがバランスよくミックスされ、なんの引っ掛かりもない。
終始ストレスなく、穏やかな変化を楽しめる。

50分で喫了。
現行のピラミデはP2のみだが、なかなかのボリュームで着火するのに時間を樹にする人が多いのが現実だろう。ぜひレギュラーラインに加えてほしかったが、その席はどうもマデューロNo.2となりそうだ。
ジャーに外れはないが、このシガーもスモーカーに胸を張っておすすめできる逸品だ。

LABEL : Partagas 【Special】