Juan Lopes Chiado 1864 2014 ER Portugal

2018-06-23

シアード1864は2014年にファン・ロペスからリリースされたエディシオン・レヒオナル(販売国限定シガー)。販売国はポルトガルで、首都リスボンのシアード地区から名をつけられた。
サイズはRG50×102mm、ビトラ・デ・ガレラ:ペティロブストス(ビトラ・デ・サリダ:ペティロブスト)。
ニス塗りボワト・ナチュールに10本収められ、5000箱が販売された。

一本取り出し、表面をチェックする。
色はコロラド・マデューロ。ややオイリー。ラッパーはレザーの香りが強めで、ウッド、タバコと並ぶ。
フットを吸ってドローをチェックし、ヘッドをフラットカット。
フットに火を回すと、ワイン樽のような芳香が立ち上った。
喫煙する。何種類ものウッドが奔流のように口腔を伝う。
シダー、オーク、白檀、若いヒノキ。白墨。コニャックのようなコク。甘味は少なく、ソリッドな喫感。フル。
キリッと居住まいを正すようなビターが吹き抜け、アクセントを与えている。強いがもったりと粘性のあるようなタッチではなく、整然と組み合わされた鉄筋のような端正さを感じる。
しかしそんな中でもウッドの優しさがほころばせてくれる。硬軟併せ持った表情がある。

 


中盤、ブローすると金属調の喫味が現れ、若い桃、水苔が現れる。ウッドは正面から背景に回り、広く広がり立体的な姿を見せる。
ERのリッチなテクスチャはスモーカーを魅惑してやまないが、このような短いビトラも当然手を抜かず、どうだと言わんばかりにそれを見せつけてくる。

終局、またカラリとしたビターが戻ってくる。
澄んだ樹の雫のような深いウッドをまとった甘み、パンチの効いたレザー。
終始うま味は強く、ただでさえ短いシガーはやけに燃焼が早いような錯覚さえ覚える。

35分で喫了。
ショートスモークだが、リッチな味わいと一本通ったこの喫感は何気なく吸うには惜しすぎる。
小さなサイズにファン・ロペスの特性がいっぱいに詰まったこのシガーは、ぜひ心して手にとってもらいたい。

LABEL : Juan Lopez 【Edicion Regional】