Sancho Panza Quijote 2010 ER Espana

2018-09-13

堂々とした体躯に、地味なリングと派手なリングのダブルリング。
サンチョ・パンサ キホーテをひと目見ての印象だ。
サイズはRG49x194mm、ビトラ・デ・ガレラ:プロミネンテス(ビトラ・デ・サリダ:ダブルコロナ)。10本入り化粧箱が2500箱生産された。
名前はもちろんドン・キホーテから。従者のサンチョ・パンサとコントラストを成す狂った理想主義者の名を冠したこのシガーはいかに。

艶めいたラッパーはコロラド。さすが長尺だけあって、素晴らしいラッパーをまとっている。ドローは通るようだ。
香りはほのかなウッド。なんとも喫煙欲をくすぐる外観なので、早速ヘッドを切り落とす。
フットに火を灯すと、ナッツのような芳香がまろび出た。

喫煙する。
丸い喫感。淡いウッドだが、はっきりした存在感を放つ。マカダミアナッツ、シダー、チョーク。わずかにホワイトペッパー、ほんのりセメダイン。ミディアム。
じっくりと火を回すと、柔らかいタッチのテイストの中で目まぐるしくバラエティに富んだ味わいが無限に変化を繰り返しているのがわかる。

 


メロウ。このシガーをひと言で言い表すとすればそれだ。
中盤は優しいタッチの中で、くるくると表情を変える。チョークとナッツが支配的で、背景に広いウッド。ブローするとそれがさらに特徴的になる。

長いダブルコロナにたゆたい、それらを楽しんでいるともう灰がリングに達している。
タイムマシンにでも乗ったかのような錯覚を覚え、終局に近づく充実した時間を惜しむ。ドライイチジク、モカ、ホワイトペッパー。古い手紙の束、無偏に広がるウッド。

80分で喫了。
やはりダブルコロナともなると、テクスチャが段違いだ。ERともなればなおさら。
突飛な名前のシガーだが、その内実は相反して素晴らしく落ち着いた端正な味わい。
背筋が正され、それでいて懐の深さを感じさせる。

LABEL : Sancho Panza 【Edicion Regional】