Troya Universales '99

2018-09-19

トロヤ ウニベルサレスは現在も販売されているプラスチック製のチュボス、トロヤ コロナスクラブの前身と言える。
このビトラは1960年代にはすでに生産されていた。
セロファン入り・セロファンなし両方で25本入りドレスボックスが発売され、また両タイプで3本入り・5本入りペーパーバックも販売されていた。非常にポピュラーなシガーだったことが伺い知れる。
しかしその後、1980年代にこのシガーはマシンメイドへと鞍替えになり、2005年には廃盤。リングもパッケージングも何もかも変更となり、トロヤ コロナスクラブが同じ年に発売を開始した。

よく観察してみよう。
セロファン入り、ショートフィラー・マシンメイドのウニベルサレスである。サイズはRG38x134mm、ビトラ・デ・ガレラ:ウニベルサレス(ビトラ・デ・サリダ:ショートパナテラ)。
セロファンは揮発した成分で茶色く変色している。取り出すと、葉巻事体は四角くなっている。
コロラド・マデューロの薄いラッパーは表面が若干浮いている。質自体は低い。
香りはほとんど紙で、タバコ香は残っていない。

ヘッドをフラットカットし、フットに火を回す。
焦げた畳の香り。喫煙すると、鋭いビターに貫かれた。

 


黒インク壺、藁、チョーク。ソリッドな喫感が攻めてくる。驚きなのは、かなりの古さ、そしてショートフィラーであるのにきっちりと風味を保っていることだ。ミディアム。
火をつけてしばらくすると、古い杉材のマイルドな喫味が立ってきた。

杉はやがて甘さを連れてきて、一気に立体感が広がる。
何か化粧品の粉のような風味も感じる。粗雑なイメージのあるショートフィラーがここまでの変化を見せるのには驚きだ。ビター感は完全になりをひそめる。

 


終盤はややビター感を取り戻し、充実したウッドが口腔を満たす。
ほんのりアーモンドの皮が広がり、最後まで息切れも破綻もなく堂々とトロヤの栄光を示した。

40分で喫了。
もう見かけることはないシガーだが、あらゆるシガーも同じような運命をたどる。
それでも記憶に残るそのシガーと楽しんだ時間は不滅だ。

LABEL : Troya 【Aged】