San Cristobal de la Habana 1519 '19

2019-03-01

サン・クリストバル・デ・ラ・ハバナ 1519は、ハバナ市政500周年たる2019年を記念してリリースされたシガーだ。
サイズはRG57x170mm、ビトラ・デ・ガレラ:ロケ(ビトラ・デ・サリダ:ダブルロブスト)。他のサン・クリストバルのシガー同様、このシガーのための特別なビトラだ。100本入りスペシャルヒュミドールが500箱制作された。ヒュミドールについてはこちらの記事も参照されたい。

このシガー、まず目が行くのはリングだ。
通常のサン・クリストバルとの違いは「500 ANIVERSARIO」の文字とダブルリングを模したリング下部分だ。「1519 - LA HABANA - 2019」の文字がある。ちなみに「San Cristobal de la Habana」とはハバナ市の歴史的な名称だ。
下部中央の十字はハバナ市の象徴たる、ハバナ港入り口に立つヒラルディア像が持つ十字。ハバナクラブのラベルでお馴染みだ。

香りは甘さを併せ持つ軽やかなウッド。ラッパーはコロラドで、オイル分はあまり感じない。表面は非常になめらかだ。堂々たる体躯で、キューバがこのハバナの名をいだくブランドにいかに力を入れているのかよく分かる。

ヘッドをフラットカット。リングゲージ57のドローが悪いわけがない。
大きなフットに火を回す。綿菓子のような甘い香りが放たれた。
喫煙する。ミディアムライト。
甘さとナッツがどうどうと攻めてくる。
蜜、というより三温糖のような、明確な形を持った甘みが非常に強い。背景をミックスナッツがかため、カシューナッツが強い。ミルクキャラメル、浅煎りのコーヒー、チーク。味わいの立体感と広がりのスケールが大きい。
大きなリングゲージがもたらす圧倒的な煙量は、もはや笑いがこぼれるレベルだ。顔の周りをくまなく煙で埋める至福が楽しめる。

 


中盤は喫感がやや深まり、焼き栗のようなニュアンスが現れる。
ナッティーなニュアンスはそのまま、押し出しがぐんと強くなる。
ブローすると強くフローラルが出る。強烈なキノコ類の旨味成分。唾液がにじみ出る。

リングを外して終盤、ウッド系の強い甘みが出てくる。
このシガーは変化を通じて終始甘いニュアンスが通るが、いずれも変化に富み、くどくない。
むしろ甘さと爽やかさが同居し、色濃いナッツの彩りも吹き抜ける風のようなアフターで重たさなど微塵もない。最期の3センチでこのシガーの巧みなブレンドが完全に味わえる。

90分で喫了。
リングゲージが太く、かなり手強そうな印象のシガーだが、サン・クリストバルの持つ優しい個性を存分に発揮し、スモーカーを受け止めて楽しませてくれる。
なかなか手に入れる機会のないヒュミドールシガーだが、強く記憶に残った。
ハバナ500年の歴史に思いを馳せる、素晴らしい経験。

LABEL : San Cristobal de La Habana 【Special】