Montecristo No.2 '14

2019-06-13

数字が割り振られたNo.1からNo.5までのモンテクリストは、スタンダード中のスタンダードなシガーだ。過去にはNo.6とNo.7も存在した。
現在はRomeo y Julietaにその座を譲ったが、長らくハバノスの中で最も販売数が多かったブランドでもある。その中でもNo.2はピラミデス。最も高品質であるといえる。

一般的に、葉巻工場で葉巻を巻く職人であるトルセドールはその熟練度によって任されるビトラが異なる。新米は小さなビトラを巻く。高価で限りある材料の歩留まりを良くするためだ。反対に、熟練工は失敗が許されない難しいビトラ、材料を多く使うビトラが任される。
つまり、ダブルコロナなどの大きなラッパーを使用するビトラや、ピラミデスなど難しいビトラだ。
当然、そのようなビトラはレシピもしっかり吟味されている。大きなシガーやピラミデスが平均して美味なのはここに理由がある。

No.2は1960年台に生産が開始され、10本・チュボス入り10本・25本入り化粧箱と3本入りペーパーパックで提供されている。
サイズはRG51x156mm、ビトラ・デ・ガレラ:ピラミデス(ビトラ・デ・サリダ:ピラミデ)。現在は4代目のリングをまとう。

箱から取り出す。ラッパーはマデューロで無骨な印象を受ける。オイル分が滲み出しているのが感触でわかる。
香りは湿った土、ウッド。
尖ったヘッドをフラットカット。ピラミデスに難のあるドローはまずない。これも造り手の質の高さからだ。


フットに火を灯す。ウッドが立ち昇る。
喫煙する。うっそうとした森。広大な青々とした針葉樹だ。
そして黒土、酸味を感じるコーヒー、ブラックペッパー。黒糖っぽさもあり、ふわっとしたテクスチャーも相まって黒糖麩菓子が頭をかすめる。ミディアムフル。
灰を落としブローすると鋭いチョークや白粉が炸裂する。

中盤はスパイス感が増す。
ペッパーの他にクミンシードなども顔を出し、薬草系のリキュールのようなタッチがある。コクがあり、テイストの立体感が増す。
シガーは短くなるにつれ味わいがきつくなっていくが、ピラミデスはリカットでヘッドの断面を大きくすることができる。これで味わいをマイルドに、また唾液で濡れた場合はリセットすることもできる。初心者にこのビトラをおすすめしたい理由のひとつだ。

終盤、ウッドがイニシアチブを取り返し広大な大地がどこまでも広がる。
スパイスとアーシーが複雑に絡み合い、これぞモンテクリストというアロマを放つ。煙量も多く煙に巻かれる多幸感に没入する。
90分で喫了。
モンテクリストのナンバーシリーズは、一度はすべて吸ってみることをおすすめする。

LABEL : Montecristo