San Cristobal de la Habana Prado Habanos Specialist Exclusive '19

2019-10-10

Punch 48から始まった金のダブルリングは、ラ・カーサ・デル・ハバノとハバノス・スペシャリスト両方の資格を持つ限られたショップのみで扱えるシガーの証だ。
その後H.UpmannからコネスールBが登場し、このプラドは3作目に当たる。

ダンボールの外箱を開けると、このシガー専用にデザインされた素敵なSBNが現れる。表面ラッカー塗装の意匠の強いものだ。
San Cristobal de la HabanaのLCDHもそうだったが、このブランドにかけるHABANOS S.A.の意気込みはすごいものがある。

 


箱を開けると、ライフル弾のようなシガーが10本整列している。
サイズはRG50x127mm、ビトラ・デ・ガレラ:ペティ・ピラミデス(ビトラ・デ・サリダ:ペティ・ピラミデ)。このビトラはスタンダードラインナップにない。ERなど、限定品のみだ。

ラッパーはコロラド。表面にオイルっぽさはあまり感じない。柔らかなタバコ香。
レモンクリームとブラウンのサン・クリストバルのリングに、金のダブルコロナが新鮮だ。しかし違和感はなくある種のマッチを感じる。

尖ったヘッドをフラットカットし、フットに着火する。樫の枝が燃える香り。
丸いタッチのスモークは、レザー、チョコレート、グラス。ミディアムライト。
ナッツのようなほのかな甘味、旨味が強くコクが深い。
味わいが強いわけではなく淡めだが、くっきりと層は分かれており曖昧なテイストではない。
むしろ柔らかく味蕾を刺激する種々の味わいが敏感に感じ取れ、味覚の波に溺れる。



グラスの若々しさと爽快なレザー、アクセントのナッツ。それらが非常によくバランスが取れている。中盤あたりでリカットしヘッドの断面をやや広げると、テイストはさらに明朗になる。ピラミデは簡単にリカットできるので唾液でヘッドを濡らしがちな人にもおすすめのビトラだ。

終盤、ほんのりとホワイトペッパーが香る。ブローすると柏餅のような素朴な甘さと葉の青さが融合した味わいが現れる。
杉板の暖炉、小豆餡の甘み、モカ。そんなに大きなビトラではないが、奔流のように立体的に束ねられた味わいが口腔を流れていく。

50分で喫了。
見た目の満足感も高いが、当然のように味わいも突出している。
発表から発売まで長かったシガーだが、待たせられた分を差し引いても素晴らしい品だと断言できる。

LABEL : San Cristobal de La Habana 【LCDH】