Romeo y Julieta Habanos Añejados Churchills '19

2019-10-21

以前のアネハドスのラインから少し間をおいて、新たなシガーが登場した。
Romeo y Julietaの旗艦チャーチルからの登場、チャーチル アネハドスだ。

このシガーには粋な演出がなされている。
アルミニウムチュボスに収められているが、そのデザインは2007年ごろまで使用されていた旧デザインのチュボスだ。収められている箱も当時のデザインで、ワランティもその頃のものに合わせられている。
シガー自体は巻き上げられてから10年熟成されたもの。ディストリビューターに確認すると、そのころ生産されたという雰囲気まで提供するために、パッケージングもそのように凝ってみたという。なんともスモーカー泣かせではないか。

無骨なシルバーのチュボスを開けると、中にはこれも金の旧チャーチルリングがつけられたチャーチル。そこにブラウンのアネハドスのダブルリングがつく。
サイズは通常のチャーチルと同じ、RG47x178mm、ビトラ・デ・ガレラ:フリエタNo.2(ビトラ・デ・サリダ:チャーチル)。チュボスが25本が収められ、リリースは2019年。
香りはエイジドのそれだ。弱いタバコ感。リングだけが真新しく光っているのがなんとも奇妙な感覚だ。経年変化を感じるラッパーはコロラド。

ヘッドをフラットカットし、フットに火を付ける。
やや糖蜜とウッドを感じさせる芳香が広がる。喫煙。香りの通り、柔らかな甘さ。
ナッツ系の甘さと糖蜜系の甘さが融合して、スモークハニーナッツと化している。
香木。百合の花。温かい暖炉の炎。わずかばかりのほのかなジンジャー。
10年熟成されてヴィンテージと呼べるその味わいは、荒さやひっかかりなど皆無で極上にスムースなタッチ。おかげで甘みが非常に強く感じ取れる。ミディアムライト。

 


燃焼が早い。経年変化でタバコ葉が痩せているためだ。が、もちろん味わいまで痩せているわけではない。
むしろ贅肉が削ぎ落とされて、うま味がわかりやすく拾える。中盤はそのラッシュだ。干し椎茸状のうま味が強烈に作用する。ややメタリックな感触、白粉。フローラル。

あっという間に終盤に達する。
ナッツはロースト感を増し、ウッドの上にはビター感がじわじわと根を伸ばす。
ブローすると石鹸と白粉がないまぜになったスモークがパワフルに飛び出す。わずかにホワイトペッパーがアクセントに。コニャックのコク。

60分で喫了。
アネハドスは手っ取り早くヴィンテージの味わいを堪能することができ、またHabanos S.A.が成す「熟成」のお手本の勉強にもなる。スモーカーには見逃せないシガーだ。

無論、味わいも抜群だ。過去の例から、アネハドスは一度まとめて出荷されたらその後は追加生産されない(このシガーのように隠し玉の他のシガーが登場する場合は考えられるが……)ので、機会を逃すと手に入らない。チェックしてみよう。

LABEL : Romeo y Julieta 【Special】