Vegueros Centrofinos '19

2019-11-13

ベゲロスのブランドリニューアル後4作目にあたるシガー、セントロフィノス。これでリニューアル前のスタンダードラインナップの数に並び、往時のベゲロスとの対比が鮮明に理解できるようになった。旧ベゲロスは1997年にリリースされロングパナテラパナテラペティコロナスモールパナテラで構成されていた。
2013年に生まれ変わったベゲロスはロブスト・コロナエクストラペティロブストペティピラミデ

シガーのビトラにも流行り廃りはある。細く長くエレガントなビトラが流行した時期は終わり、現代は短くとも太く吸いごたえのあるビトラが主流だ。それは様々な要因が複雑に絡み合い、Habanos S.A.のマーケティングによって決定される。そのあたりはSNSでときどき発信しているとおりだ。
ちなみに細く長いシガーが古き良き昔のシガーというのは間違いである。さらに昔の流行のビトラは異なる。

セントロフィノスはRG50x130mm、ビトラ・デ・ガレラ:セントロフィノス(ビトラデ・サリダ:ロブスト)。このシガーのみに設定されたビトラである。
16本入りメタル缶または4本入りペーパーバックで販売される。

ラッパーの色は薄いコロラド。表面は油っぽく、葉脈が細かく走る。粗野なまとめ方はいかにもベゲロスという感じだ。
香りは若草っぽくタバコの香りが強い。なお、リングに「HABANA」がない時点でわかるがベゲロスはハバナ市の工場ではなく地方のピナ・デル・リオの葉巻工場で製造されるのでハバナシガーではない。が、ハバノスでありキューバンシガーである。他のハバノスは首都出身の都会っ子だが、ベゲロスだけ地方出身、というわけである。

ヘッドをフラットカットし、フットに火を灯す。
漂うホイップクリームっぽい香り。喫煙する。
強いグラス(草)感。青っぽさ。夏の太陽を感じる。レザー、ハーブ、生のどんぐり。フル。
ストロングな喫感だが、他のVeguerosとは感じが異なる。ねっとりとしたスモークではなく、もう少しカラッとした気持ちライトな味わいである。
煙は押し出しが強いが、きついという感じはしない。
カカオ100%のようなコクがあり、あとひく美味さだ。


中盤は強い喫味がやや後退し、グラスが全面に出てくる。爽やかさ。
いかついVeguerosの重さはなく、強さの中にもライトさが見いだせる。奇妙に聞こえるかもしれないが、実際そうなのだ。ドライな喫感。

終盤、レザーが頭ひとつ抜け、ハードな喫感へと突き進む。
アフターにナッツを感じ、強さ一辺倒だけではない。緩急を加えてくる。
ブローするとぱっと印象が明るくなり、爽やかな花蜜が味わえる。
60分で喫了。

これは他のフルボディのロブストを食ってしまうのではないのか?という危惧。
好みの問題があるが、強いロブストでいったら価格もサイズも申し分ない。エントリーモデルとして、デイリーシガーとして、非常に優秀なシガーがハバノスに加わった。これはひとつの事件である。

LABEL : Vegueros