H.Upmann Connoisseur No.1 '17

2020-01-20

コネスール No.1はアップマンのスタンダードラインナップで唯一のコロナ・エクストラだ。
アップマンといえばマグナム・シリーズのイメージが強いが、このシガーも同じくらいの歴史を誇る。
1960年代に生産が開始され、2005年以前のものはノーリングで提供されている。

サイズはRG48x127mm、ビトラ・デ・ガレラ:ヘルモソスNo.4(ビトラ・デ・サリダ:コロナ・エクストラ)。同ビトラにはポール・ララナーガ ピカドレスなどがある。
特徴のひとつとして、このシガーは25本入SLBとなっている。
コロナ・エクストラといえばスタンダードラインナップではすべてが化粧箱入りだが、唯一このシガーのみCABだ。
コネスール特有の柔らかな喫感は、間違いなくそれが干渉している。

葉巻を観察する。通常のCABと同じように、25本がリボンで束ねられスライド蓋の下に収められている。
ラッパーはコロラド。表面はやや節くれだち、葉脈がはしる。オイル分はあまり感じない。
香りは薄いウッド。あくまでほのかに香る。

ヘッドをフラットカット。断面から鰹節のような香り。ドローをチェックしたあとフットに火を灯す。
干し草の山の香りが漂う。

喫煙すると、干し椎茸の旨味とビターなウッドが完全に溶け合い、輪郭を持った味わいが舌の上に広がる。ミディアムライト。
棘感、ザラっとした感触が一切ないスモーク。しかし退屈かというとそれは違い、香木めいた高い香りと味蕾を刺激する旨味が華やか。渋みはほとんど感じない。


中盤はややドライにシフトし、ウッドが優勢になる。若干のレザー。こっくりとしたコクが楽しめる。スパイスドホットチョコレート。
アロマも強く、味覚と嗅覚どちらも攻め立てられ隙がない。

終盤は軽やかなナッティーさが目立つ。ブローするとそれがさらに鮮明になり、ピスタチオがはっきりと舌の上に感じとれる。
終局にはほのかにホワイトペッパーが薫る。60分で喫了。

軽やかな中にもアップマンの個性が光り、それがスモーカーを引き寄せ離さない。
何本も連喫できそうなタッチだが満足感が高い。CABの入門としても安定のデイリーシガーとしても推奨できる、アップマン最初の一本としても太鼓判を押せるシガーだ。

LABEL : H. Upmann