モンテクリストのブランド設立85周年、そしてラ・カーサ・デル・ハバノ30周年のふたつのアニバーサリーを祝して登場したシガーがこのエレデロスだ。
湿度計付きの特別なボワト・ナチュールに20本が収められ、生産数は設定されていない。
サイズはRG47x162mm、ビトラ・デ・ガレラ：カサドレス・エスペシアレス（ビトラ・デ・サリダ：エレデロス）。このシガーのみのオリジナルビトラだ。
RG47x178mmがいわゆるチャーチルなので、やや短めのチャーチルと思ってもらって良い。

シガーをチェックする。
コネスールBなどと同じように、LCDHとHS（ハバノス・スペシャリスト）の両方の資格を持つ店舗のみでの独占販売となるダブルネームの金リングを備えている。
ラッパーは濃い目のコロラド。表面はオイルで潤っている。
香りはウッドとタバコの混合。喫煙欲をそそる香りを立ち昇らせる。

ヘッドをフラットカット。フットに火を灯すと、甘いウッドが広がる。喫煙。
柑橘類のフレッシュな味わい。杉皮のビターな味わい。
非常に爽やかなタッチで、既存のモンテクリストのどれでもないタッチに驚いた。
はっきりとしたレモンピールを感じる。そのビターさがウッドに繋がり、未体験の爽快さに驚愕する。薄くカカオ。アーシー。ミディアム。

土くささが臭うモンテクリストとはわけが違う。ライトで揮発感があるさっぱりとした味わいだが、コクもうま味も充分に備えている。アクセントとなるビターが非常に好ましい。

ビターはやがて力を増し、濃くなったレモンがウッドへ変化し、そしてそれが燻製アーモンドへと進んでいく。
喫感はパワフルになり、タッチも鋭くなっていく。そうかと思えば次の一口は優しく穏やかな白粉。
集中せずとも非常にわかりやすいテイストの変化を目の当たりにする。

終盤、ホワイトペッパーとフェンネルが立ち上がる。
ブローすると青リンゴのような瑞々しさに目が覚める。
終始重たい感じは毛ほども感じさせず、端正な作りとクリアなテイストに感心する。

60分で喫了。
エレデロスとは相続人という意味である。
モンテクリストの、LCDHの今まで成し遂げてきたものを引き継ぎ、これからに受け継ぐという意味だろうか。
市場に出回る数は非常に限られると思われるが、一喫の価値は充分ある。