Romeo y Julieta Maravillas 8 '19

2020-04-13

ダビドフではすでに恒例となった干支シリーズ。
キューバンシガーでも過去に各ディストリビューター単位で、箱をばらして犬や猪のパッケージングをあしらった品が出回ったが、これはハバノスのオフィシャルだ(このような例はたくさんあるので、オフィシャルではない独自の品が市場に出回りスモーカーが勘違いする例がよくある)。ディストリビューターの工夫をハバノスが取り入れる例はスライド・リッド・ボックスをはじめ過去にもたくさんある。

Romeo y Julietaのロゴが記された赤い紙の外箱を開くと、中にはELと同じようなシガーの説明書と赤い布袋に収まったこれもまた赤と金の豪華なボックス。まるでグラン・レゼルバだ。箱の底まで布張りである。Habanos S.A.がいかに中国市場を重視しているかわかる。
蓋を開けると、ずらりとならぶ8本のシガー。もちろん末広がりの「八」をイメージしている。

シガーをよく観察してみよう。
2020年のネズミのフットリングがつけられたRG55x155mm、ビトラ・デ・ガレラ:マラビジャスNo.3(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト・エクストラ)だ。このビトラは他には2012年のEL、Montecristo 520しか存在しない。
ラッパーはマデューロ。あまり油っぽくなく、美しい葉を使用している。香りはウッドの芳香を強く放つ。

ヘッドをフラットカット。フットリングを外し、着火する。
大きな断面に火が回ると、ウッドの甘めの香りが立ち昇る。

喫煙する。複雑なウッド。フローラルで、白粉と杉が合体したようで爽快さを持つ。硬い樫の木の芯のようなテクスチャもあり、重厚だが荒々しさはない。コニャックのようなコク。ミディアム。
長大なシガーなので煙量にまかれる。アロマも深く夢見心地。

中盤はウッドが伸び、緻密なチーク材が楽しめる。端正なスモークはひっかかりがなくどこまでもスムース。豪快なサイズかと思いきや非常に繊細なタッチが楽しめる。
ほんのりメイプルシロップ。主体がウッドで、ウッド系の甘さからビターまで目まぐるしく味わいが変化する。

終盤、ビターな針が一本生えてくる。
ブローすると鼻に白粉が抜け、序盤より強い爽快感が駆け抜ける。
エスプレッソのブラックが濃厚で、スモーカーを飽きさせない。

90分で喫了。
見た目の豪華さに引けを取らない、質実剛健なシガー。限定品と言わずにこのビトラでスタンダードラインナップとして販売してほしい。
来年丑年にもすでに限定品が販売されることが決定しているが、並べてテイスティングしてみたくなるのがスモーカーの常だろう。ハバノスの戦略にすでにかかっているが、それでもいいという気持ちになる。

LABEL : Romeo y Julieta 【Special】