Partagas Serie P No.2 '15

2020-05-22

セリーP No.2はセリーシリーズとノーマルシリーズに分けられるパルタガスの中で、セリーシリーズ唯一のピラミデだ。(ノーマルリングをまとうマデューロシリーズにNo.2が登場したことでパルタガスのスタンダードライン唯一のピラミデではなくなった)

2005年に登場し、現在も販売が続けられている。サイズはRG52x156mm、ビトラ・デ・ガレラ:ピラミデス(ビトラ・デ・サリダ:ピラミデ)。
10本入り・25本入りSBNとアルミニウムチュボス3本入りペーパーバックの形で提供される。

一本取り出して観察する。
ずんぐりしたピラミデシェイプ。オリジナルのリングが与えられ、赤地に金でシンプルに「SERIE P No.2」の文字が映える。
香りは強いレザー。やや濃い目のコロラドラッパーはオイリーでいかにもパルタガスな条件を揃えている。

尖ったヘッドをフラットカット。
広いフットに火を灯す。ウッド、綿菓子の香りが立ち昇る。
喫煙すると濃厚なレザー。三温糖のような甘み、鼻を抜けるウッド。太いRGから生まれる芳醇なアロマ。パルタガスの美徳をすべて兼ね備えている。
ピラミデは巻くのが難しいシェイプだ。なので、工場では上級の職人が担当する。これはペルフェクト、ダブルコロナなどもそうだ。失敗して歩留まりが悪くなるのを防ぐためだ。
そのようなシガーは素材も当然吟味される。上手な職人は難しいシェイプを任され、必然的にそれらはクオリティの高い葉が提供される。ピラミデがうまいのは自明の理なのだ。

個性の強いパルタガスだが、雑なところなくスムース。ぎゅっと凝縮したウッドはほんのりアクセントにビターを添え、スモーカーを覚醒させる。アメリカンコーヒー、重厚なオーク材、ややメタリックな喫味。フル。コニャックのコクを感じる。

 


中盤はうま味がはしる。
喫煙で葉巻内部が蒸れて味わいの変化に拍車が掛かる。より喫味はよりマイルドになり、ナッティーにシフトする。
燻製アーモンド。青インク。ドライフラワー。ピラミデの窄まるヘッドで複雑な味わいは収斂され、よりパワフルにクリアに味蕾を刺激する。

終盤はどっとパワフルに。
パルタガスの「濃さ」が前面に現れ、よりアーシーに。
他のテイストも消えたわけではなくその内面に包括され、味わいは立体的。
ブローするとぱっと花が咲くように華やかになり、ブーケに巻き込まれる。ダークカカオチョコレート。青い洋梨。

70分で喫了。
セリーではあまり名を挙げられないビトラだが、6大ブランドであるパルタガスのピラミデは非常にクオリティが高い。
たっぷりした重厚なシガーが欲しい場合、手に取るといいだろう。

LABEL : Partagas