Diplomaticos El Diputado 2019 ER Belux

2020-10-12

ベルギー・ルクセンブルクは緊密な経済協力を行っている。そのためユーロ圏では融合してベルックスとも呼ばれる。これにオランダを合わせてベネルクスと呼ばれることもある。
エディシオン・レヒオナルが発売される際も、どちらか片方ということはない。同じ経済圏だからだ。

ベルックスで発売されたディプロマティコスからのERはエル・ディプタード。「副外交官」という意味だが、なぜ降格されたのかは定かではない。
サイズはRG55x130mm、ビトラ・デ・ガレラ:モンテスコ(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト)。10本入りSBNが10000箱製造された。

箱を開けると、ウッドとタバコ葉の香りが湧き立つ。
最近ではポピュラーになったモンテスコだが、ディプロマティコスのリングがつくのは初なので新鮮みがある。
ラッパーはコロラド・マデューロ。オイルでつやつやとしている。リングも豪華にエンボスがなされ、ダブルリングと相まってきまっている。

ヘッドをフラットカット。広いフットに素早く火を回す。レザーの芳香。
喫煙する。馥郁たるレザーが口腔に満ちる。
小豆餡のような控えめの甘みに、柔らかなタッチの古めのレザー。パルタガスなどのような、がっつりくるレザーとはベクトルの異なる、ふんわりとしたテクスチャだ。
胡桃、肉厚の落葉樹の焚き火、ペッパー。ミディアムフル。


中盤、レザーが力を増し、喫感が太くなる。
ナッティーなニュアンスが広がり、さらに奥行きを感じさせる。コクが一段と深まり、たっぷりした煙量を楽しみながら埋没する。
ナツメグ、古いコニャック、レザー。サイズと強さを感じさせず、軽快にスモーキングできるディプロマティコスの懐の広さ。

ブローするとレーズンパンのような甘みと小麦感、終盤への変化の幅が広い。
グラス(草)とウッドが絡まり合い、さらにフルーティーなタッチが芽生える。
余韻は長く、軽いタニックと刺激的なブラックペッパーも楽しめる。
終始変化を続けるレザーを追って、60分で喫了。

現行のディプロマティコスで最大のリングゲージで味わう豊かな風味。
ワイドチャーチルでロメオの新たな楽しみの境地が見つかったように、このブランドでもそれが発見できる。
根強いファンがいるブランドだけに、このビトラもよく考えられた作り手の意図を汲みながら喫煙すると大きな発見があるはずだ。

LABEL : Diplomaticos 【Edicion Regional】