Juan Lopes Maximos 2008 ER Suiza

2021-03-12

スタンダードラインナップが少なくなっても、エディシオン・レヒオナルの拡大は止まらない。
マキシモはスイス限定のファン・ロペスだ。
25本入りドレスボックスで、サイズはRG48x157mm、ビトラ・デ・ガレラ:ヘルモソスNo.2(ビトラ・デ・サリダ:グランド・コロナ)。セナドレスなどと同じビトラで、ダブルリングでしか巻かれていない。それにしてもスイスERの多さは一体なんなのか。

葉巻を観察する。やや濃い目のコロラド。ラッパーは質が高く葉脈も薄い。香りはほとんどない。強いて言えば紙の香り。化粧箱の香りだ。
早速ヘッドをフラットカット。切り屑を飛ばしドローチェック。
フットに火を回す。ウッド、そして若干の焼いた貝を思わせる芳香。
喫煙すると香木。ふくよかなウッドの旨さが一気に広がる。
煮込んだ貝のようなうま味、レーズン、ニュアンスにビター。非常に奥行きが広く、コクが深い。ミディアムフル。
脳がじんと痺れるような蠱惑的なウッドと化粧香。一瞬でスモーカーを忘我に引き込む。


中盤は香木が全面に押し出てきて、香水もかくやという芳香にまみれる。
たばこ葉が熟成の末に、ニコチンなどが芳香成分へと昇華した結果だが、この華麗な変身にはいつも驚嘆しかない。
ナッツが刻々と表情を変え、ピカンや栗が顔を出す。
やや強めのタッチだが、硬さやしつこさは皆無で一切に淀みがない。

終盤、ブローすると白粉が口腔で爆発する。
喫感は強くなるが、端正な表情は変わらず。終始心地よい香木が背景に控えていて、喫煙の強弱で位置を変える。クリーミーな牡蠣汁。アフターに淡いミント。

60分で喫了。
Juan LopesのERの中でも白眉ではないだろうか。
熟成のピークのタイミングというのを差し引いても、非常に素晴らしい体験を得られた。
その名に偽りのない、最大限にハバノスを楽しめるシガーだ。

LABEL : Juan Lopez 【Aged】 【Edicion Regional】