El Rey del Mundo Balthasar 2009 ER Báltico

2021-06-07

バルタサールはバルト海沿岸、すなわちスウェーデン、フィンランド、ロシア、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、ドイツ、デンマーク向けに発売されたエル・レイ・デル・ムンドのシガーだ。
2009年にリリースされ、10本入りのSBNが1200箱生産された。
サイズはRG50x155mm、ビトラ・デ・ガレラ:ドブレス(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト・エクストラ)。モンテクリスト ダブルエドムンドと同じビトラとなる。

葉巻の表面はコロラド。ラッパーは張りがあり、年数を経た衰えを感じさせない。香りは優しいウッド。
ヘッドをフラットカットし、フットに火を付ける。
フローラル、そしてウッドの複雑な香り。喫煙する。
香木が流れる。中心に据えられたウッド、レモン、青い牧草。ビターがほんのり。ミディアムライト。
全体的に爽やかさを感じる喫感だ。10年を超える熟成を経てもこの若々しさは何なのか。
白墨、紅茶。フローラルなアロマが素晴らしい。


中盤はフローラルがさらに突出し、花畑にいるかのような強いブーケ。
湧き上がるストーンフルーツとともに、非常に華やかなタッチ。アフターに白墨。煙量も豊かで、煙に巻かれると花園に意識が持っていかれそうになる。コクが深い。

終盤、いつの間にか最前面のレイヤーに現れた白墨が全てを包む。
ブローすると柑橘類の味わいが噴出する。そしてすぐに白墨に閉じ込められる。
視界も口腔も白く染まり、80分で喫了。

全体を通して押し付けのない淡い色彩だが、薄いわけではなく、経年変化の働きで各テイストは素直に現れる。むしろはっきりとしていてわかりやすい。
吟味されて作り上げられたERの、熟成の末の一番「のっている」タイミングだったと思われる。
この楽しみもあるから、シガーは奥が深い。

LABEL : El Rey del Mundo 【Aged】 【Edicion Regional】