Ramon Allones Gigantes '11

2021-07-29

ラモン・アロネスのヒガンテスの現行品は二代目である。
60年代に生まれた初代は少し小ぶりで、RG50x184mm。1976年に廃止となった。現行品は同年に製造が開始され、RG49x194mm。ビトラ・デ・ガレラ:プロミネンテ(ビトラ・デ・サリダ:ダブルコロナ)。若干長く、やや細くなったので見た目には少し大きくなったように見える。
クラシックなダブルコロナからモダンなダブルコロナへと生まれ変わり、強烈な味わいの強さのヒガンテスは、ルシタニアスと双璧をなす強い味わいのビッグシガーとして君臨している。

ドレスボックスを開くと、整然と並んだダブルコロナが強烈なインパクトと芳醇な芳香を放つ。
これに臆してはダメである。実はダブルコロナこそシガーの初心者には味わってもらいたい。
オイリーな特徴を秘めたコロラド・マデューロのなめらかなラッパーのさわり心地は、このシガーが強い味わいを持つことを示している。香りは黒土。
ヘッドをフラットカット。フットに火を灯す。杉の薪の芳香。
喫煙すると甘み。すぐにウッドなビターが追いかけてきて、それはぶつかってバラバラに周囲に散る。
杉の葉、白墨、ビターキャラメル、アフターにミント。ストロング。

めくるめく煙と味わい。長い体躯のダブルコロナはそれ自身がフィルターの役目を果たし、煙はマイルドになる。見た目と喫感が真逆となるのは、葉巻にままあることだ。
素晴らしいテクスチャだ。
ウッドをメインに甘さとビターを兼ね備えた、立体感に満ちた味わい。探るうちにまた無限に変化し、どこまでも広がっていく。無辺大の表情を見せる。
強烈なタッチは10年の時を経て、ニコチンが芳香成分やうま味に昇華し特徴的な味わいが浮き彫りになっている。煮干し。エスプレッソ。


この長さでも冗長なところは微塵もなく、力強さの中の繊細なタッチと明快な味わいを楽しんでいたら、すでに終盤。
ブローすると、爽やかなハーブと脳を揺らす干し椎茸のうま味が炸裂する。
深い森を散策する90分。

力強い味わいも、飽きずにいつまでも楽しめるハバノスのマジック。
スタンダードラインでは数が少なくなったダブルコロナだが、その体験は他を凌駕する。

LABEL : Ramon Allones 【Aged】