La Flor de Cano Elegidos '21

2022-02-28

エレヒドスはスタンダードラインナップでは2002年以来の、久しぶりのラ・フロール・デ・カノの新作となる。
ブランドの伝統通り、ショートフィラーのハンドメイドで作られ、サイズはRG50x127mm、ビトラ・デ・ガレラ:リリオス(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト)という唯一無二の珍しいハバノスだ。
10本入りSLBで提供される。

ショートフィラー・ハンドメイドなので箱の底面には「TC」と記されているので簡単に区別できる。
箱から取り出し葉巻を観察する。
ラッパーの色はコロラド。表面は波打ち葉脈が走るが、発色は良い。
香りは獣臭を連想させる革。濃いタバコ香。キャップの処理が甘く、端のほうが浮いている。

ヘッドをフラットカット。ショートフィラーなので吸口にタバコ葉が残らないよう確認する。喫煙中に口の中に入ってくると邪魔だ。

フットに火を回す。落葉樹の落ち葉の焚き火の香り。
喫煙すると、白墨が印象的に飛び込んでくる。
柴の焚き火、レザー、湿気を含んだ黒土。ミディアム。
葉じたいは濃い目のタッチだが、ショートフィラーにすることで適度に空気を含み、それが当たりが柔らかくマイルドにさせることに一役買っている。ショートフィラーはタバコ葉の切れ端を使っているわけではなく、ちゃんとした目的を元に使われているのだ。

灰を落とすと白墨がさらに立ちあがり、芯の方にあるほのかな甘味がより強調される。


中盤はビター感が増す。
栗の毬を焼いたような香り。ウッディーさが高まり、ドライな喫感へとじわじわ変化してく。
しかし不意に見せるウッドから反転した甘さの風味が新鮮。

終盤、ウッドとビターが支配的に変化していく。
ブローすると小さな花が散るような趣き。
粗さやエッジの尖った印象はなく、角の取れたウッドとほのかな甘味はショートフィラーに抱かれがちな低品質・まとまりのない味わいといったものを微塵も感じさせない。
60分で喫了。
ERが多く作られているブランドだが、スタンダードラインナップも見直されるべき。

LABEL : La Flor de Cano