H.Upmann Magnum52 '21

2022-03-21

2022年の干支シリーズ、イヤー・オブ・ザ・タイガーは公式にはまだ発表されていないので、厳密なビトラはわからない。
ハバノスはオールハンドメイドなので、長さが数ミリ誤差があるものだ。
リングゲージ52は間違いないが長さは実測147~148ミリか。そのようなビトラ・デ・ガレラは存在していないので、このシガー専用のビトラになるだろう。名前はマグナム52になったら面白い。
ビトラ・デ・サリダ:ロブスト・エクストラなのは間違いない。カニョナソより短く、へニオスより長い。
特別な赤いラッカーの箱に、9本入りでリリースされるはずだ。

ユニークなのはマグナムシリーズの欠番、52であることだ。
アップマンのマグナムシリーズはエディシオン・リミターダを含めて今までリリースされてきたのは46・48・50・54・56だ(もちろん、スーパーマグナムやマグナム・エスペシアルというものも忘れていない)。

葉巻にはH.Upmannの通常のリングに、マグナム特有の赤いダブルリング。「MAGNUM52」と記してある。何より目を引くのは赤金のフットリングだ。
イヤー・オブ・ザ・タイガーの虎の顔が鮮烈だ。
ラッパーはコロラド。適度に張りがありはなめらかで美しい。あまりオイル分は感じない。
香りは淡く、ほのかにウッド系。

フットに火を回すと、ナッティーなスモークが漂う。
喫煙すると、そのナッツを内包したほのかに優しい甘みが口いっぱいに広がる。クルミが近いニュアンスか。
なめらかで控えめな甘さはこしあんを彷彿とさせる。
そしてアップマン特有の小麦の風味。
小麦・こしあん・クルミで、完全にくるみ大福を頬張っているような気分になる。葉巻というより和菓子を味わっているかのようだ。

煙量豊かで煙の粒子も細かい。
今年の干支なので当然巻いたばかりのとても若い葉巻だが、粗さや硬さを微塵も感じさせない。優れたブレンドなのだろう。


中盤はビターさとメタリックな質感がそれに加わり、多面的な表情を見せてくれる。
劇的な変化がハバノスの妙だ。
太さがあり、フィラーを多く組むことが可能なビトラなので、味わいの奥行きが広い。底が伺いしれない。
そして舌にいつまでも残るうま味。

徐々にソリッドなタッチへと向かう終盤。ナッツが再度その感触を濃くしていく。
ブローするとちらちらと小さな花が散る。蜜とナッツの共演。甘ったるい感じではなく、あくまで爽やか。

70分で喫了。
喫了して真っ先に考えたのは、これを限定ではなくスタンダードラインナップで出してもらえないものだろうか?ということ。一年で終わるには惜しい(ELは毎度そうなのだが)。
H.UpmannはELからスタンダードへとコンバートされたビトラもある。淡い期待を抱いてしまうのも無理はない。そう思わせるシガーだ。

LABEL : H. Upmann 【Special】