Cohiba 55 Aniversario Edicion Limitada 2021

2022-04-21

2021年のエディシオン・リミターダのひとつ、コイーバから55アニベルサリオである。
名前の通りコイーバ55周年を祝して作られた記念碑的シガーだ。

ラッカーフィニッシュの特別なボワト・ナチュールに10本入りで提供される。
何といっても特徴的なのはその絢爛なフットリングだろう。威圧感すら感じる
サイズはRG57x150mm、ビトラ・デ・ガレラ:ビクトリア(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト・エクストラ)。
マフェストゥオーソからリングゲージを1引いて、ピッグテールがあしらわれているという感じの外見だ。

ラッパーはマデューロ。褐色の表面は喫煙欲を非常にそそる。
香りはウッドが支配的、ややレザー。巻きたてのハバノスによくある、ほのかな酸味を感じさせる香りも。

太いヘッドに刃を当てフラットカット。広いフットに素早く火を回す。豊かなウッド香が立ち昇る。
喫煙すると、焼き栗の皮のビターな感じ。そしてすぐ甘さ。
皮の中の、栗の蜜まで感じる強烈な甘さだ。いきなり陶酔する。
香りは香木。味わいは深く広い。こっくりとしたコニャックのようなコクだが、重たくはない。甘いがアフターには爽快なビターが残り、突っ込み気味になるのを抑えるのに苦労するほどだ。味蕾を凄まじく刺激し、唾液が止まらない。強めのミディアム。

 


中盤はレザー感が立ち上がってくる。
栗の皮、身、ウッドを覆うように巻かれたレザーは、瞬間瞬間でその中身も顔を出す。そしてそれら全体も刻々と変化するので、深さ・広さが果てしない。
かなりどっしりとした喫感だが、しつこさは微塵もなく、奥へ奥へと誘い込まれる。
煙量豊かなスモークの奥から、千変万化の味覚の奔流にただ流される。

リングを外して終盤。
栗の甘さの奥に、また別の形のうま味が出てくる。
序盤はキノコ的なうま味だったが、貝のスープに化ける。
ブローすると若葉のような爽やかさが駆け抜ける。収斂されたタバコ葉のうま味がぐっと現れる。
めくるめくコイーバの煙に、何もかも飲み込まれる。

70分で喫了。
見た目からして只者ではないが、本当に只者ではない。
腰の座った味わいだが重たさ・しつこさなどマイナスな点は皆無で、軽妙な香りと幽玄なテイストに完全にノックアウトされるだろう。
ハバノス、それは魔法だ。

LABEL : Cohiba 【Edicion Limitada】