El Rey del Mundo Petit Coronas '11

2022-05-13

1960年代に生産が開始されたエル・レイ・デル・ムンド ペティコロナは、2012年にディスコンになるまで様々なパッケージで販売された。
セロファン入りが収められた25本入りドレスボックス、25本SLB、100本入りヒュミドールは2000年の前に廃盤になった。
50本入りのSLBは2003年に、25本入りドレスボックスは2012年に廃盤になった。
SLBはノーリングで提供された。この手頃なペティコロナが人気を誇ったのがよくわかる。

サイズはRG42x129mm、ビトラ・デ・ガレラ:マレバス(ビトラ・デ・サリダ:ペティコロナ)。このブランドには同ビトラで2003年に廃盤となったペティ・ロンズデールもある。

このペティコロナはドレスボックスのものだ。
一本取り出してみる。ラッパーはコロラド。表面は波打ち、まだ獣臭をまとっている。若干のウッド。
ヘッドをフラットカットし、ためしに空吸いしてみる。経年変化で葉が痩せ、ドローは十分に通る。

フットに火を灯す。白樺の皮を燃やしたようなアロマ。
喫煙する。ウッドを主体にミント、リコリス、ピカン。ビターがアクセント。
全体的に植物的な味わいが特徴だ。
アフターに全粒粉のクラッカーを感じる。ミディアムライト。


炭酸感がはじける。中盤はウッドが太くなり、黒土っぽさも感じる。
アフターに乳酸菌飲料のような、なんともいえないメロウなコクを感じる。うまみも十分で、その吸いごたえに驚く。
ウッド主体、囲むビターの流れは変わらないが、徐々に振幅を変化していく喫味はハバノスの醍醐味。

終盤まで変化は止まない。
ブローすると白粉が爆発する。そこにアフターのビターが絡まる。小さなビトラから魔法のように絢爛なテイストが噴出するのは、まさに目もくらむような体験だ。

40分で喫了。
ペティコロナだが、情感たっぷりで物足りなさなど微塵も感じさせない。
エイジングによって引き起こされる葉巻の変化には度肝を抜かれる。

LABEL : El Rey del Mundo 【Aged】