Vegueros Entretiempos '13

2015-06-03

 

XV Festival habanoに参加するため、先日キューバへ行ってまいりました。
今回話題のひとつであった「復活した」ベゲロスはブランドアイコンもサイズも全て一新したため、多くの期待と失望が交錯したようだ。
ピナ・デル・リオから生産されるクラシックなサイズ展開がウリのこのブランド。工場改修、生産体制の一新などさまざまな話が飛び交っているが、いかに変わったのか。
今回はリリースされた「マニャーニタス」「エントレティエンポス」「タパドス」から、一番太いエントレティエンポスを喫煙してみる。

サイズは52×110、ペティ・エドムンド(ペティロブスト)。
銀縁に軽くアールの入った、ブラックとグリーンのコントラストが目を引く斬新なリングにまず驚くが、持ってみると「これがベゲロスなのか!」と違和感を覚えるほどのゲージ。最近はやりのごんぶと短め、セポ52である。
ラッパーは非常に美しく、若干オイリー。色はコロラド・クラロ。表面に短い産毛がまばらにある。
鼻を近づけると濃い芳醇なタバコ香、仄かな黒土。まだキューバの空気を纏いつかせている。

ザックリとフラットカット。ドローよし。
ゆっくり丁寧に大口径のフットを焦がすと、やや青っぽさを含んだ煙が立ち昇る。旧ベゲロスが頭をよぎる。
完全に着火させてひと口吸い込むと、ヘヴィなタバコ感と青草、ほんの少しのすり胡麻のニュアンス。
「青っぽさ」といってもかつてのベゲロスの持つキャラクターとはベクトルの違う、巻いたばかりの若々しさから出る青さか。
喫感はフルボディ。煙量多し。
木質、とはちょっと違う。茎、そう植物の緑色の太い茎だ。余韻は野太く長い。
生命力溢れる躍動するような味わい。灰を落として強く喫煙すると揮発性の味わいが舌をさっと通り抜ける。灰は白い。



中盤になって葉巻内部が蒸れてくると、喫感が和らいでくる。ミディアム。
スパイシーさがぐわっと顔を出してくる。木の実のスパイス。
味蕾を刺激して唾が搾り出される。感覚的には暴れん坊な葉巻、か。
甘さはない。ハードな終盤を予感させる。

終盤、まるでページをめくるようにぱっとビターが立ち上がった。そして急に木質感。
タンニン、そしてフローラルも感じる。立体的だ。
終盤のめまぐるしい変化に翻弄されつつ、70分で喫了。

かつてのベゲロスのこれと同じくらい若い固体を吸ったことがないので判断はできないが、これが10年経って今出回っているベゲロスのようなテイストに変化するか?ということにはやや首をかしげる。
ベゲロスは生まれ変わり、新たなブランドとしてスタートを切った、と考えるのが妥当だろう。

そう、新しいベゲロスは味わいのあるいい葉巻だと思う。そしてこれが16本缶パックやペーパーパックで、旧ベゲロスと同じような他ハバナシガーより安価な設定で流通してくれば、デイリーシガーにぜひ加えたいと思う。

ただ、何回かFesへ参加し、サーブされるファーストのファーストロットの葉巻を吸い、その後市場へ出回る同じビトラを吸った感想としては、喫味や質感が若干落ちる場合はままある。ラファエル・ゴンザレスの箱にあるように、葉巻は熟成させてからか、もしくは巻きたて。
願わくばこのクオリティで、そして一日も早く箱を眺めながら喫煙できる日が来るように。

LABEL : Vegueros