Partagas Culebras '19

2022-07-28

ハバノスのイロモノの極みといえば、このクレブラスは外せないだろう。
クレブラとは蛇の意。三本の葉巻が三つ編みされ、絡まりあった蛇のように見えないこともない。

非常に特徴的な見た目のこの葉巻は2005年までパルタガスのレギュラーラインナップとして生産され続け、2007年にLCDH独占品として復活、販売が開始された。
ちなみにクレブラスはパルタガスの専売特許というわけではなく、H.UpmannやRomeo y Julieta、はてはDavidoffでも製造されていた伝統的なシガーのシェイプである。

葉巻を観察する。ゆる巻きで作られたRG39x146mmのシガーが三本リボンで束ねられ、上から特別な大きいパルタガスのリングで覆われる。「CULEBRAS」と印刷されたリングはこのシガーだけの専用。ビトラ・デ・ガレラ:クレブラス(ビトラ・デ・サリダ:クレブラ)。
これが細長いSLBに収められ、ドレスボックスにそれが3つ入る。つまり一箱に計9本が入っている。
なんとも独特な外見だ。初見でこれを葉巻と思う人は皆無だろう。
ラッパーはコロラド、オイルが染み出した黒い斑点が広がる。表面もオイリー。
香りはウッドと隠しきれない強いレザー。強烈にパルタガスであるとアピールしている。

リボンをほどき、リングを外す。ラッパーが癒着しているので注意が必要だ。
一本剥がすと、奇っ怪な葉巻が姿を表す。ねじれ、へこみ、フットは潰れて楕円形になっている。
ヘッドをフラットカットして空吸いすると、ストローのように通る。

フットに着火する。松の木のような香り。
喫煙すると、甘さを含んだレザー、サクランボのようなほのかな酸味、澄んだコーヒー。
コニャックのようなコクを感じる。
間違いなくパルタガスだが、曲げるためにゆる巻にしているため、空気を多く含んだスモークがソフト。強さはあるが、タッチはライトだ。
そしてすぐ落灰。巻きがゆるいので灰のホールドも柔らかい。喫煙するときは要注意だ。こまめに灰を落とそう。
芯にはしっかりパルタガス。分厚いレザーが現れる。

中盤、甘さがひときわ目立つ。
レザーのうま味と融合してあと引くテイスト。燃焼が早い。
ウッディーな表情も現れ、変化の多様さと奥行きがしっかり感じられる。

終盤は引き続きうま味を含んだレザーが伸びる。
ブローすると南国の花のようなブーケが広がり、ふっ飛ばされる。
やや強さを増し、ガス香を感じさせる。
アフターはウッド。舌に残るものは間違いなくパルタガスだが、他とは違うタッチに夢見心地。

40分で喫了。
異様な見た目に反して、その優しい味わいと吸いやすさは絶対に予想できない。
ピラミデスなどと同じく、先入観を捨てて新たな葉巻の世界に踏み出してみよう。
クレブラスを手に取れば、あなたはもう葉巻の初心者ではない。

LABEL : Partagas 【LCDH】