レヒオス・デ・パンチは手に入れてすぐ吸った時、その強さと硬さに慄いた記憶がある。
しかし、それこそハバノスの面白さ。どのような変化を辿っていくのか、とても楽しみにしていた。

サイズはRG48x120mm、ビトラ・デ・ガレラ：ヘルモソ・エスペシアル（ビトラ・デ・サリダ：コロナ・エクストラ）。このシガーだけのスペシャルなビトラだ。
25本入りSLBで、2018年頃からデリバリーが開始された。

箱を開けると、ウッドと力強いタバコ香。強烈だ。
葉巻を取り出す。ラッパーはマデューロで、かなりのオイル分だったであろうことを伺わせる質感。
黒金のELリングが輝く。シガー自体は小ぶりのサイズだが、只者ではないオーラを感じる。

ヘッドをフラットカット、フットに着火。
レザーと強い甘さが香り立つ。
喫煙する。ガツンと衝撃が来るレザー。その奥に粘度の高い芋の蜜のような甘み。
鼻を抜けるのは白粉。強さだけでなく、華やかさも備えている。フル。
強いが荒々しさはなく、端正といっても良い。煮干し、なめし革。
したたるようなうま味も、強いコクも、ELの品質の高さを物語っている。

中盤、やや強さは抑えられ、甘みが糖蜜へと変化していく。
変化は微妙で、しかし刻々と変わっていき、あっという間に離れていく。
煙の舌触りも非常に繊細で、粒子を感じさせない、しっとりとしたスモークだ。
ビターなカカオ感やナッツも現れ、様々なタッチが交錯する。

終盤はまたヘビーなタッチが戻ってくる。
ブローすると澄んだ白粉が脳天を直撃する。
強烈な甘さと塗りつぶすような濃厚なレザーですべてが埋め尽くされていく。
胡桃。羊羹。シダー。
終始ストロングな喫感で、一瞬も倦むことのない変化を見せつつ、40分で喫了。

当初感じた激烈な硬さと強さは形を変え、経年変化により味わいと香りに転化されたことがよく分かる。
Punchの別の側面を見せてくれる、魅惑の一本。