Partagas Serie D No.2 Edicion Limitada 2003

2023-12-10

2003年のエディシオン・リミターダ、セリーD No.2である。
セリーDシリーズについては、D No.1の項目ですでに説明しているので割愛する。
25本入りSBNで販売された。
サイズはRG50x156mm、ビトラ・デ・ガレラ:ロブストスNo.2(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト・エクストラ)。このビトラはダブルリングにしかない。

さて、箱から取り出すとかなりのマデューロ。
元から厚みのあるラッパーを利用してマデューロにした、昨今のお手軽ラッパーではない。選ばれた葉が経年変化により色合いが濃く変化したマデューロだ。
香りはほとんど失われている。わずかに湿った朽木。感触はかなり乾いている。

ヘッドをフラットカット。フットに着火。
白樺の焚き火。喫煙すると、ほのかなビターと芳醇なウッドが交錯した。
古い洋館。青インク。かちかちのレザーに肥沃な黒土。
20年を経たとは思えないようなストロング。
枯れ節。発酵食品特有のコクとうま味。味覚に様々な表情を見せるという感じではなく、想起させる味は多くはないが、いずれも輪郭がくっきりとしていて明快だ。
香り高い香木はどこまでも伸びる。


中盤、レザーが最前面のレイヤーへ出てくる。
ビターをアクセントにはらんだドライなタッチと完全に融合し、渋みのないビターが心ゆくまで堪能できる。
煙に対して「澄んだ」という言い回しは妙な感じもするが、澄んだ煙である。まるで濾過したようにクリアなスモークだ。

終盤に差し掛かりブローすると、鼻を通るフローラルが爆発する。
一気に花開くそれは非常に豪華で、とたんに華々しい雰囲気と化す。
紅茶のような味わいは、一般のパルタガスからは想像もつかない繊細さだ。

70分で喫了。
元々がパワフルなブランドであるパルタガスは、経験から言っても長い熟成に耐えられる。それがまた実証された形だ。
ニコチン等の成分が時間と空気と微生物などの働きにより加水分解され、芳香成分へと昇華するのがそのプロセスだが、それは葉巻個々のキャラクターにより違っていく。長い時間を経るとその違いはどんどん広がっていき、唯一無二の個性へと変化する。
エイジドシガーとなったときの、その到達点も計算されたレシピだと思うが、このシガーも吟味された素材でその条件を満たしている。白眉。

LABEL : Partagas 【Aged】 【Edicion Limitada】