Hoyo de Monterrey Epicure No.3 '23

2024-01-30

エピクールにNo.3が来るとは想像だにしなかった。
しかもヘッドが尖っている。ピラミデだ!これは番外もいいところだ。
ハバノスは伝統的にピラミデは「No.2」を名乗ることになっている。No.3がピラミデ?
しかし瞬時に了解する。キューバがやることなのだ。筋が通っていようがいまいが、さもありなん。
一見法則性がありそうで、なさそうで、でもありそうで、と延々と弄ばれるのがスモーカー。

エピクールNo.3は2022年に発表されたが、実際に販売が開始されたのは2023年下旬。
25本・10本入りのSLBと、チュボス入り3本が入った紙箱の5箱セット15本入りの形でリリースされた。つまり普通のエピクールだ。

サイズはRG54x125mm、ビトラ・デ・ガレラ:オリヒナレス(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト)。
新ビトラだ!と騒ぐ前に、ロブスト!?これはビトラ・デ・サリダではロブストになるの!?
と驚くべきだ。やはりビトラという言葉の意味を本当に理解していないと、これから葉巻について認識が及ばなくなるだろう。ていうか全部ビトラ・デ・ガレラにしてしまえ。

しげしげと葉巻を観察する。ラッパーは薄いコロラド。あまりオイルっ気はないが、葉脈の浅い美しいラッパーだ。
持ってみるとやはり太い。香りはウッドとほんのりとレザー。淡い。
オヨPetit Belicoso Travel Retailはリングゲージが52なだけで他はこのシガーとまったく同じなので、比較にちょうどいいだろう。

尖ったヘッドをフラットカッド。さすがに太いのでドローは良好。その広大なフットに火を回す。
白樺の皮が燃える香り。
喫煙する。淡く上品な植物系の甘み。
端正なウッドの軽やかなうま味とコク。確かにエピクールの喫感だ。しかし、それよりかなり甘みが立つ。
さらっとした蜜。若い杉の木。ライト。


中盤、甘さは引いていきウッドが支配的になる。
リカットするとさらに劇的に立ち上がる。
リオセコまではいかないが、エピクール兄弟の中で最も太いリングゲージを与えられているのだ。フィラーもさぞかし奢られているはずだ。
かなりみっしり締まったウッドだが、重さや硬さは感じない。喫煙の強弱でシャープになったり丸くなったり、様々な表情を見せる。紅茶、ナッツ。

終盤に入りブローするとフローラルなアロマが放出される。
さらに華やかなスモークは目が覚めるようだ。またも甘みが立ち上がり、密度を増したそれはウッドと複雑に絡み合い新たな表情を見せる。
絡み合っては離れ、と刻々と変化していく喫味を味わっているうち、50分で喫了。

スタンダードラインなのでいずれ葉巻屋に並ぶと思うが、その際エピクールを横吸いして比較するのも面白いだろう。
昨今はやりのサイズだが、玄人好みの尖ったヘッドが面白い。これでピラミデのシェイプが手に取られやすくなれば、ハバノスの新たな世界がまた見えるだろう。

LABEL : Hoyo de Monterrey