El Rey del Mundo Royal Series '23

2024-02-29

ロイヤル・セリーはJuan Lopes、La Gloria Cubanaと続くラグジュアリーなボワト・ナチュール入りLCDHのシリーズにて、El Rey del Mundoからリリースされた。
2023年後半のキプロスでの販売開始以降、徐々に市場に出回っている。

サイズはRG50x155mm、ビトラ・デ・ガレラ:ドブレス(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト・エクストラ)。白塗りボックスに20本が収められている。一応販売本数の上限設定はないことになっているが、おそらくそんなことはないだろう。


黒い紙製の外箱を開けると、シックなグレーの布袋に収められた白い箱。袋から出して蓋を開けると、芳醇なタバコ葉の香りが一杯に広がる。
ラッパーはコロラド。適度なオイル分が表面を潤し、エルレイの黄色いリングとLCDHの臙脂のラブルリングのコントラストが新鮮だ。
ヘッドをフラットカットし、フットに火を灯す。


マッチの軸が燃焼する香り。
喫煙すると、複雑な味わいが口腔を満たす。
湿った朽木、椎茸、レザー。ミディアムライト。
タッチは軽いが浅くなく、しっかりした味わいは筋が通ってくっきり浮かび上がっている。
うまみが強く、ウッド系、植物系がトータルで広がっている。

朽木は日が差すようにカラッとしたウッドへ変化し、精妙なハバノスの変化に感嘆する。

中盤、ドライになったタッチはぐんとアロマを伸ばし、鼻孔を刺激する。非常に香ばしい。
じっくり味わうと甘みを感じられる。
広く深くどこまでもウッドが広がるが、期間と喫煙の強弱で刻々と変化していく。
深いコクとともにそれを楽しんでいると、本当に時間を忘れる。ハバノスの精緻なマジックに時間を奪われる。


リングを外して終盤、ブローするとキノコが溢れ出て、その洪水に飲まれる。
ぐっとうまみも増し、自分の唾液にもまた飲まれる。
華々しさや分かりやすい甘み、というものは無いが、しみじみと美味くしみじみと感動の波が広がっていく。

70分で喫了。
昨今のハバノスは華美なパッケージで付加価値を上げているが、そこは葉巻の王。中身で勝負してもらいたい。簡素なドレスボックスで構わないので、もっと流通させてほしい。
そしてこの感動を、多くの人に届けてもらいたい。

LABEL : El Rey del Mundo 【LCDH】