Punch Medalla d'Oro 2011 ER Gran Bretaña

2024-06-14

相変わらずシガーの世界ではイギリスに嫉妬してしまう。
メダジャ・ドロ(メダーラ・ドーロでも何でもいいが)は見ての通り、イギリス限定のエディシオン・レヒオナルだ。
葉巻自体のパッケージングやリング、ボックスが一般品と一味違うハバノスは、だいたいイギリス限定だと思っていい。ヨーロッパで葉巻文化が花開いたのはイギリス、最も歴史のあるディストリビューターはイギリス、色々理由はあるが見た目だけでなく味も香りも良いのが嫉妬の本当の理由だろう。

パンチ メダジャ・ドロは2011年のER。リリースは2011年だが、市場に出たのは翌2012年だ。
サイズはRG50x155mm、ビトラ・デ・ガレラ:ドブレス(ビトラ・デ・サリダ:ロブスト・エクストラ)。Montecristoダブルエドムンドと同じビトラで、ダブルリングが多い。
10本入りのラッカー塗りセミ・ボワト・ナチュールで、3000箱が販売された。

この葉巻の特徴はなんといってもその見た目。金色のホイルに包まれている。
そしてそれはゴールドメダルのように紙ではなく、金属箔のホイルなのだ。ホイル表面には「EMS 2012」のモノグラムがある。ああ大英帝国。
このホイルが葉巻をほとんど覆い、その上にERリングとPunchのリングが巻かれている。ホイルを握って引き抜けば、リングも含めて全部がすっぽり取れるというわけだ。
(こういうのを取らずにこれ見よがしに残してインスタとかにバシバシ写真を乗せる風潮は心底軽蔑している)

ホイルを抜いてチェックする。
抜けが少ないためか、かなり濃厚なウッドの香りをまとっている。美しいラッパーはコロラドで、表面はつややか。巻きも美しい。

ヘッドをカットしてフットに火を回す。
ウッドのスモークが溢れる。喫煙すると、かなりのビター。
一口目のインパクトにたじろぐが、次からはウッドとレザーが精妙に融合した、キノコのうま味が炸裂する。燻製カシューナッツ、レーズン、石鹸。香水のようなアロマが催眠術をかけてくる。
洋酒のようなコク。ミディアム。

ドライめのスモークは煙量豊かでシルキーなタッチ。
10年以上の時を経て、枯れた中にも明確な輪郭を持つ味わいがくっきりと立っている。


中盤はナッツがさらに立ち上がり、ハーブとウッドそれが融合し、刻々と変化を遂げていく。
サラッとしたグラニュー糖のような甘みを感じ、アフターにわずかにビター。
立体的なテイストはスモーカーを惑わせる。どこまでも奥へ誘われる。

終盤、ブローするとカラメルが鼻を抜ける。
薬草系のビターが爽快で、ぐっとタバコ感を押し上げる。
レザーとキノコが追い打ちをかけ、完全な終局へ至る。80分で喫了。

見た目通りゴージャスな喫煙体験だった。
冒頭でも記したが、やはりイギリス限定は物が違う。
レシピの吟味が段違いなのだろう。材料がすべて一体感をなし、完全に昇華している。
無論見た目で惹かれる品ではあるが、その本質は中身であると再認識させてくれるマスターピースだ。

LABEL : Punch 【Aged】 【Edicion Regional】